「久闊」とは?
「久闊」は、「きゅうかつ」と読みます。「久しく会わないこと」「長い間便りをしないこと」を表す言葉です。
「久闊」の字義
「久」の音読みは「きゅう」「く」、訓読みは「ひさ(しい)」です。「永久」「久遠」などの熟語に用いられるように、「長い時間」を表す漢字です。
「闊」の音読みは「かつ」、訓読みは「ひろ(い)」「うと(い)」です。大きく分けて、以下の2つの意味を持ちます。
- 面積が広い、心が広いという、物心両面での「広さ」を表す。
- うとい、間があいている。まわりくどい。
1の意味では「闊達」、2の意味では「迂闊」という熟語を思い浮かべればイメージがしやすいでしょう。
「久闊」での意味は、2の「間があいている」であると考えるのが一般的です。「久闊」で「長い間が空いている」「久しく疎い(疎遠でいる)」という意味ですね。
「久闊」の使い方
「久闊」は、使い方がかなり限定される言葉です。「久闊を詫びる」「久闊を叙する」という2つの言い回し以外では、ほぼ見かけないと言っても過言ではありません。
これらの言い回しには、「長い間連絡を取らなかったことを詫びる」という共通した意味があります。簡単に言えば、「ご無沙汰しております」と挨拶をする、という意味ですね。
「久闊を叙する」には、それに加えて「久々にあった友人と友情を温める」という意味があります。
例文
- 大学卒業以来連絡を取っていなかった叔父に、久闊を詫びた。
- 高校時代の友人と、互いに久闊を叙する機会に恵まれた。
「久闊」の類語
「久闊」の類語としては、「無沙汰(ぶさた)」が挙げられます。稀に「不沙汰」と表記されることもあり、以下のような意味を持つ言葉です。
- 長い間訪問や音信をしないこと。無音(ぶいん)
- 処置、指図などをしないこと。
- 注意をおこたり、不用意になること。
- 関心を持たないこと、事情に疎いこと。
- なおざりにすること。ほうっておくこと。
現在では、1の意味で用いられることがほとんどです。そして、この1の意味において「無沙汰」は「久闊」の類語たりえます。