「活路を見出す」とは?
「活路を見出す」(かつろをみいだす)とは、「命が助かる方法を見つける、窮地からのがれるやり方を発見する」という意味の言い回しです。
例えば、アクション映画などでは、主人公が敵に囲まれて追い詰められた際、「これだ!」というちょっとした発見やひらめきによって、危機的状況を脱するシーンが描かれることがしばしばありますね。
その「ちょっとした発見」をした瞬間や「ひらめき」が起きたときが、まさしく「活路を見出した」さまと言えるでしょう。
「活路」とは?
「活路」(かつろ)とは、「活(い)かすみち」と書きますが、「活」の字は「生」の字に通じており、まさしく「生きる」ことを表しています。
一方の「路(みち)」は、「道路」の意味がよく知られていますが、ここでは「手立て、手法、手段」の意味です。したがって、「活路を見出す」は、「生きるための方法を見つける」と解釈できますね。
なお、「活路」には「生活の手段、生計」という意味もあり、「活路を見出す」と言う表現にも、文脈によっては「(困難な状況から)生計を立てる手段を見つける」というニュアンスが含まれることがあります。
「活路を見出す」の使い方
「活路を見出す」を使うにあたっては、まず何らかの困難や危機的状況にあることが前提であり、それを打開するための何らかのやり方を見つける、というさまを指して使います。
先述したように「活路」は「生きる手段」のことですが、困難や危機は必ずしも生命に関するものである必要はなく、「経営の危機で、新しい商品の開発に活路を見出す」のような比喩的な使い方もできます。
むしろ、現実においてはアクション映画のようにそのままの意味で「生き残る手段を見つける」と言う状況は少なく、比喩的に「解決策を見つける」「その方法に希望をかける」という意味で使われる場合のほうが多いでしょう。
例文
- 財政破綻の危機にさらされた〇〇市は、いち職員の意見を採用して、観光業に活路を見出すことにした。
- 20歳にして職を失い家を追い出された彼は、その後、元々好きだった執筆の仕事に活路を見出し、才能を認められて作家としての道を歩むことになる。
- 一時は客足が遠のいていた地元の本屋は、近隣住民らの憩いの場としてのスペース利用に新たな活路を見出した。
「活路を見出す」の関連表現
「活路」には、「見出す」の他にも、「開く」「切り開く」「求める」「探す」「模索する」のような言葉が後に続くことがあります。
使い方は「見出す」と似ていますが、「開く」「切り開く」は実際に活路にコミット(接触)しているニュアンスが、「求める」「探す」「模索する」はまだはっきりと活路が見出せていないニュアンスが含まれますのでご留意ください。
「活路を見出す」を英語で言うと?
「活路を見出す」を英語で言いたい場合には、「find a way (out)」が良いでしょう。「to~」で文をつづけることで、「~に活路を見出す」とできます。
英語の「way」は日本語の「みち」と同等、あるいはそれ以上に多義的であり、「やり方、方法」「習慣、流儀」「人生、経験」「状態、具合」「観点、細目」といった意味まで持っています。
そのため「find a way」(道を見つける)とするだけで「活路を見出す」の意味に合致します。さらに「out」をつければ、困難な状況から「抜け出す」というニュアンスを出すこともできます。
例文
- TV stations suffering from viewer distraction have found a way to stream movies.(視聴者離れに悩むテレビ局は、映画配信に活路を見出した)
- He found a way out in his daughter's remarks.(彼は娘の発言から活路を見出した)