「一元的」とは?意味や使い方をご紹介

「一元的に管理する」「一元的に解釈する」といった表現に見られる「一元的」という言葉。日常会話で使う機会は少なめかもしれませんが、ビジネスシーンでは登場することがありますので、意味や使い方を押さえておきましょう。ここでは、「一元的」について解説します。

目次

  1. 「一元的」の意味
  2. 「一元的」の使い方
  3. 「一元的」の関連語
  4. 「一元的」を英語で言うと

「一元的」の意味

「一元的」(いちげんてき)とは、「さまざまな現象が、(表面の事象はどうあれ)一つの根本的原理によって成り立つさま」という意味の言葉です。

より簡単に言い換えれば、「ただ唯一の仕組みやルールによって何かがまとめられているさま」と言っても良いでしょう。

例えば、複数の部門がそれぞれ個別に担当していた業務が、あるひとつのA部門のみに統合されるとしたら、「A部門で業務が一元的に管理される」と言うことができます。

「一元的」の使い方

「一元的」という言葉は、例えば、社会構造など、何らかの役割分担や複数の担当部署などが存在する事象において、それが一つの根元を持つさま(一つに編制・集約されているさま)を指して使います。

よく耳にするのは、「一元的な管理」「一元的に行う」といった形です。特に、それまで一元的でなかった(二元的、多元的)仕組みが、一元的になった(一元化された)際に、「一元的に~する」と使われることが多いです。

日常的には政治・行政の分野で聞くことが多い言葉ですが、「一つの根元を持つさま」といえるのであれば、論理学や哲学など、概念を扱う領域でも、考え方のひとつとして「一元的」という言葉が使われることがあります。

例文

  • ISBN(国際標準図書番号)とは、世界中の図書・資料を一元的に管理する13桁の国際規格コードのことである。
  • これまで、この証明書を取得する手続きはA省とB省がそれぞれ分業的に管理していましたが、来月以降は、新設のC省の窓口で一元的に取り扱われることになりました。
  • 戦国時代ならまだしも、現代では、日本全国を武力によって統一し、すべての人民を一元的に支配しようという発想は時代遅れである。
  • 「ピアノなんて、誰に教わっても一緒でしょ」と言っていた彼女も、優れた教師に出会ったのち、一元的な考えしか持っていなかった自分を恥じたようだ。

「一元的」の関連語

「二元的」「多元的」

「一元的」の関連語として、「二元的」「多元的」という言い方も覚えておきましょう(「三元的」とは言わず、三つ以上の本源を持つものは「多元的」と言われるのが一般的です)。

「二元的」は、何かが二つの(多くの場合は両極的な)要素から成り立つさま、「多元的」は少なくとも三以上の根源的な要素から何かが成り立つさまを意味します。

【例文】

  • この小説は、「善」と「悪」という二元的な対立をテーマとして描かれている。
  • 人間は物質を原則とする一元的な存在か、それとも物質とは違う「精神(心)」を持つ二元的な存在であるかは、古来から議論されてきた。
  • この言語は〇〇語という一元的な起源をもつと考えられているが、一部、複数の言語の流入など、多元的な起源をもつと主張する学者もいる。

「一元的」を英語で言うと

「一元的」を英語で言うと、「unitary」です。これと合わせて以下の言葉も覚えておきましょう。

  • unify(一元化する、一体化する)
  • unification(一元化、統合)

また、「中央に集約化されている」(centrally)や、「単一的」(monistic)という単語も覚えておくと便利です。

例文

  • Sales statistics are unitary managed in this database.(売上統計は、このデータベースで一元的に管理されます)
  • This department centrally manages confidencial information.(この部署では、機密にまつわる情報を一元的に管理しています)


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