「端境期」の意味
「端境期」は、「はざかいき」と読みます。「果物や野菜などが、季節の関係で市場に出回りにくくなる時期」そこから転じて「物事の入れ替わりの時期」を指す言葉です。一般的に使われる言葉ではありませんが、農業や販売業を営む人は頻繁に耳にしているかもしれません。
もともとは古米に代わって新米が市場に出回ろうとする時期、九月から十月ごろを表す言葉でした。そこから、野菜・果物・生糸などの季節性の強いものが品薄になる時期を指すようになり、現在ではさまざまなものの転換期を表す言葉となっています。
「端境期」の使い方
「端境期」を使った例文をいくつか挙げておきましょう。
- 丁度りんごの端境期で店頭に並ぶりんごの数が極端に減り、価格が高騰している。
- 最近は冷房と暖房の端境期で、とても過ごしやすい気候が続いている。
- 私の住む団地はここ数年端境期を迎えており、中年層と呼ばれる30代の方々を見ることが少なくなった。
- 梨の旬が終わり、少々端境期に入ってしまったが少しすれば店頭にみかんが並ぶ時期が来ますよ。
「端境期」の類語
「転換期」
「転換(てんかん)期」という言葉の意味は、「物事の性質・傾向・方針などがそれまでと変わる時期」です。「物事が変化する時期」という部分で、「端境期」と意味が重なります。
【例文】
- 三年生最後の夏の大会が終わり三年生が引退するため、チームは大きな転換期を迎えている。
- 携帯を使って支払いをする電子マネーは、長い間紙幣を使ってきた時代からの転換期と言えるだろう。
- ここ最近の暑さは春物から半袖への転換期になったと言えるでしょう。
「ターニングポイント」
「ターニングポイント」は「分岐点・変わり目」といった意味を持つ「端境期」の類語です。
【例文】
- ある教師から受けた叱咤激励は、くすんでいた私の人生のターニングポイントとなり私を成長させてくれた。
- この試合のターニングポイントは後半すぐに起きたディフェンダーのミスであろう。
- マラソンにおいて給水はそのレースの結果を左右するターニングポイントになりやすい。
「端境期」の反語
「最盛期」
「端境期」が「果物・野菜が出回らなくなる時期」であるのに対して、「最盛期」は「最も盛んな時期・最も力がある時期」のことを指す言葉です。最盛期には果物・野菜が多く出荷され、価格も安定から安い方へと傾きます。
【例文】
- 今は釣りの最盛期で、この湖にも多くの釣り好きが集まって賑やかである。
- 最盛期にはビルを何棟も所有していた彼も、今では人からお金を借りるほど落ちぶれてしまった。
- Novemberなど英語の綴りがrで終わる月は牡蠣の最盛期と呼ばれている。
「安定期」
「安定期」には「物事が落ち着いていて激しい変化のないこと」という意味があり、変化のある「端境期」とは反対の意味になります。
【例文】
- 物価が安定期に入ったおかげで人々の売買意欲が元に戻ってきた。
- 創業からさまざまなことがあったが、この会社もようやく安定期に入ったと言えそうだ。
果物・野菜の「端境期」
果物・野菜はその種類ごとに旬が異なり、当然端境期もそれぞれです。価格や品質の上下もあるのでよく買う商品の端境期くらいは知っておいても良いでしょう。
野菜は主に春野菜と秋野菜の狭間が端境期となり、10月や3~4月がそれに該当します。
【野菜名:端境期】
かぼちゃ:12月~翌年5月
レンコン:6月~8月
キャベツ:4月~5月
ネギ:5月~6月
レタス:6月~7月
最近では、品種改良やさまざまな栽培技術の発展により、野菜・果物などが一年を通じて店頭に並ぶようになってきました。「端境期」という言葉も、いずれは死語となるかも知れませんね。