「手練れ」の意味
時代劇をよく見る人には「こやつ相当な手練れだな」というようなセリフは馴染み深いでしょう。「手練れ」という言葉には「熟練して技芸などの優れていること、またその人」という意味があります。
「手練れ」の使い方
「手練れ」という言葉を使った例文をいくつか挙げておきましょう。
- 向かい合っただけで彼からは特別なオーラが出ているのがわかった。きっと相当の手練れに違いない。
- 競走馬を自分の思うがままに操るには特別な手練れが必要だ。
- 私が進学した高校の野球部には手練れが沢山存在するので、レギュラーを掴むには相当な努力と根性が必要になるだろう。
- 何か一つ手練れた技を持っていれば、人生の岐路に立った時に役にたつだろう。
「手練」という言葉
「手練れ」と、「れ」が送られている場合は「てだれ」と読みますが、「手練」と漢字二文字で表記されているときは、「しゅれん・てれん」と読むことが多いです。
「手練(しゅれん)」
手練には「熟練した巧みな手際」という意味があります。使い方としては「手練れ」と大差ありません。技術や技能の熟達を示す、プラスのイメージを与える言葉です。
【使用例】
- まさに手練の早業、彼は一息に2つの的を射抜いてみせた。
- この作品の修復には、相当な手練を要することだろう。
- 彼は、長年の経験で培った手練を発揮して、見事にこの部署を復活させた。
「手練(てれん)」
「手練」を「てれん」と読む場合があります。「てれん」は「いつわりごまかす事・人をあやつる手段や技巧」という意味を持つ言葉です。
「てだれ・しゅれん」が「人から尊敬される、人の為になる技巧」であるのに対して、「てれん」は「人を欺くための技巧」を意味します。明確に、マイナスのイメージを持つ言い回しですね。
「てれん」を使った四字熟語に「手練手管(てれんてくだ)」という言葉があります。「手管」にも「人をだます手段」という意味があり、同意語を2つ繋げることでより語意を強くする成り立ちを持つ熟語です。
「手練れ」の類語
「達者」
「達者」は「たっしゃ」と読み以下のような意味があります。
【意味】
- 物事に熟達していること・達人
- 物事をするのに早くて上手なこと
- ぬけめのないこと・したたかな者
「熟練しており、物事をこなすのが上手」という意味で「手練れ」の類語と言えます。
【例文】
- 今テレビに映っている芸能人は芸達者で好感を持てるので人気が出るだろう。
- 彼は口の方は達者なのだが、その腕前は全く使いものにならない。
- 彼女はパソコンが達者なので課題を授業中に完成させることも珍しくない。
「堪能」
「堪能」は「かんのう」と読みます。現在では「たんのう」と読むことが一般的で、その場合は「満ち足りて十分なこと」を表しますが、これは「足んぬ(たんぬ)」から転じた言葉に当てた「当て字」です。
本来の「堪能」は「かんのう」と読み、「忍耐力があること」「深くその道に達して上手な事、または人」という意味を持ちます。
【例文】
- 英語に堪能な彼女は街中で外国人に質問されても余裕で会話できるだろう。
- 武術に堪能な彼は私生活もしっかりしており、礼儀を第一に重んじると話していた。
「精鋭」
「精鋭」は「せいえい」と読み、「えりぬかれていて鋭いこと・特に強い人のこと」という意味があります。
【例文】
- 対戦相手の学校はマンモス校で部員数もこちらの比ではないが、わが校は少数精鋭で立ち向かい必ず勝つと信じている。
- 校内での喧嘩を収めるため、わが校の精鋭部隊と呼ばれる生徒会が立ち上がった。
- 彼女たちはわが社から選ばれた精鋭であり、必ずや今回の商談をモノにして帰ってくるだろう。