「大災厄」とは?
「大災厄」(だいさいやく)とは、「大きな災厄」の意であり、きわめて大きな規模・影響をもった災害や凶事を意味する言葉です。
「災厄」は「わざわい、災難」という意味ですが、その頭に「大」をつけることで、「最上級といっていい規模の災害」「(被害などの)程度のはなはだしい災難」という意味を表すのが「大災厄」です。
「大災厄」の使い方
「大災厄」という言葉は、非常に大きな規模の災害や、大変に恐ろしい出来事を指して使います。
天災・人災の区別はありませんが、「大」とつくからには、世にある(史実上・記録上の)さまざまな災害とは比較できないような規模や影響をもった出来事に使われることが多く、人災よりは、(飢饉や流行病なども含む)自然由来の災害に対して用いられる言葉です。
例えば、2011年3月に発生した「東日本大震災」などは、その後の原発事故なども含め、多くの日本国民にとって「大災厄」と呼べるほどの出来事であった(今もまだその影響が続いている)といえるのではないでしょうか。
かなり大仰なニュアンス
「大災厄」は、「大」という最上級の表現を使っていることもあって、かなり大仰な、芝居がかった響きがあります。平穏な日常を享受していればこそ、非日常のきわみと言えるこうした言葉を縁遠く感じられるという側面もあるでしょう。
そのため、先ほど挙げた「東日本大震災」など現実の出来事を「大災厄」と呼ぶ例もある一方で、漫画、アニメ、小説など、フィクションの中で使われる「装飾された、派手な表現」というイメージも色濃くある言葉です。
何をもって「大」災厄というのか、明確な基準がないことも踏まえ、平穏な日常ではややニュアンスが具体化しにくい言葉であることに留意しましょう。
例文
- 14世紀にヨーロッパで流行したペストは、当時の世界人口の3割を死亡させる大災厄だった。
- もしあの隕石が地球に衝突したら、地上生物の99%が絶滅するような未曾有(みぞう)の大災厄が引き起こされるだろう。
- 1000年前の「大災厄」以降、人類は地上世界を追いやられ、地下に都市を作って世代交代を繰り返してきた。(※ファンタジーの世界設定など)
「大災厄」を英語で言うと?
「大災厄」を英語で言いたい場合、注目するニュアンスによって選ぶ言葉が少しずつ変わります。
災害・悲劇・破壊
「大災厄」を「大きな災害・悲劇・破壊」という意味で言いたい場合は、以下のような単語を用いましょう。
- catastrophe(大規模な災害、悲劇的破局、大変動)
- cataclysm(大洪水、大変動)
- disaster(災害、大惨事)
- destruction(大破壊、滅亡)
ただ、これらは年に数回起こるような災害や事故に対しても(比喩的な意味もこめて)使われることがあります。必要に応じて「huge」や「big」などで形容することで、「大災厄」というニュアンスが表現できるでしょう。
生物学的絶滅
「大災厄」を「生物学的絶滅(多くの生き物が死ぬ)」という意味で言いたい場合は、以下のような単語を用いましょう。
- (mass)extinction(絶滅)
- holocaust(大虐殺、大惨害)
宗教的終末
「大災厄」を「いずれ来たる世界最後の日」「定められた終末」といった意味で言いたい場合は、以下のような単語を用いましょう。若干ではありますが、宗教色を帯びる言葉です。
- armageddon(大動乱、大破壊)
- apocalypse(世の終わり、大惨事)
「大災厄」という言葉が使われている創作物
カードゲーム『MTG』の「大災厄/Doomfall」
有名なカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』(MTG)に、「大災厄/Doomfall」という名前のソーサリー(魔法)カードが存在します。
その効果は以下の通り。除去、手札破壊といった役割が主です。
以下から1つを選ぶ。
・対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分がコントロールするクリーチャー1体を追放する。
・対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札を公開する。あなたはその中から土地でないカード1枚を選ぶ。そのカードを追放する。
ゲーム『ニーア』『DOD』シリーズの「大災厄」
テレビゲーム『ニーアシリーズ』およびその関連作である『ドラッグ・オン・ドラグーン(DOD)シリーズ』に、「大災厄」という設定があります。
元々私たちが存在していた現実世界のある時点で「大災厄」が起こったため、人類の文明が崩壊すると同時にモンスターがあふれ出す世界となった、といった解釈がなされていますが、未だ詳しく語られていない部分であり、多くの謎が残されています。