「処理落ち」とは
人は、一度に多くの作業を割り振られると捌ききれなくなってしまいます。実は、これと同じことがコンピュータでも起こるのです。
「処理落ち」とは、なんらかの要因によって、コンピュータの処理が追いつかなくなり、処理が遅れたり止まってしまうことを指します。
「落ち」とは
「落ち」という言葉にはさまざまな意味がありますが、ここでは、あるべきものに漏れがある、あるいは、落ち度がある・しなくてはいけないことをしないでおくことといったことです。
よって、大雑把に言えば、「処理落ち」とは、処理に手落ちがあるという意味ですね。
「処理落ち」の具体例
具体的には、おもに、ゲームや動画再生における次のような現象です。
- キャラクタ動作がスローモーションになる。
- 映像がカクカクしてスムーズでなくなる。
- 音声や音楽が途切れてしまう。
このような、映像の乱れのことを「コマ落ち」や「フレーム落ち」と言います。
「コマ落ち」とは
「コマ落ち」の「コマ」とは映画や写真のフィルムなどで1枚の絵が記録されているデータ単位(フレーム)のことです。
たとえば、1秒間に20枚の画像を表示しなければならないところ、ハードディスクの処理性能が低いなどの理由で15枚しか表示できなかった場合、最後の5枚分はコマ落ちしていることになります。
結果として、コマ落ちした分、映像がカクカクしたり、画面がスキップしてしまうのです。
「処理落ち」の使い方
- このゲーム、バージョンアップしてもまだ処理落ちするね。
- いい成績出してたのに、最後の最後で処理落ちした。
- 敵の出現数が多くなると処理落ちするみたい。
ゲームの「処理落ち」
たとえば、シューティングゲームや格闘ゲームで「処理落ち」すると、知らぬ間に弾に当たっていた、いいタイミングで技をかけられなかったといったことが起こり得ます。
これはゲームの勝敗に関わりますから、「処理落ち」によってユーザ評価が低くなってしまうのも理解できるでしょう。
しかし、そこまでのシビアなリアルタイム処理が必要ではないゲームにおいては、勝敗や操作性にはそこまで影響はないはずです。それでも「処理落ち」が問題となるのは、見栄えが悪いからということのようです。
また、弾幕シューティング(敵が膨大な弾を撃ってくるシューティングゲーム)と呼ばれるジャンルにおいては、一定数以上の敵や弾が表示されると、深刻なエラーを防ぐためにわざと「処理落ち」させるケースがあります。
「処理落ち」の関連語
「重い」
IT用語の「重い」は、簡単に言えば、反応が鈍いという意味です。もともとは、ネットワークの過負荷によってアップロードやダウンロードに時間がかかることを言っていたようです。現在では、アプリケーションの負荷が大きくて処理が遅いことを指す場合もあります。
しかし、もともとの意味に倣って、「処理落ち」とは区別して使われることが多いようです。
「バグ落ち」
本来、「バグ(bug)」は虫のこと。IT用語では、ソフトウェアの不具合やプログラマの意図とは違う動作の原因となる原因を指す言葉です。
「バグ落ち」は、おもに、ゲームにおいて、画面が突然消えてしまったりフリーズしたりすることです。これは、プログラミングなどの際のヒューマンエラーですから、処理の過負荷による「処理落ち」とは別の事象とされています。
「鯖落ち」
ここでの「鯖(さば)」は魚の種類のことではなく、「サーバ」のネットスラングです。「鯖落ち(さばおち)」は、サーバがダウンすること。特に、SNSやネットワークゲームのサーバが過負荷などによって停止してしまうことを指します。