「含蓄」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「含蓄」という言葉を聞いたことはありますか。なかなか使う機会の少ない熟語かもしれませんが、昔の詩人が詠んだ歌や俳人の俳句などを耳にすると「含蓄のある歌だな」などと、しみじみ感じてしまう事でしょう。この記事では「含蓄」の意味や使い方を類語を含め紹介します。

目次

  1. 「含蓄」の意味
  2. 「含蓄」の使い方
  3. 「含蓄」の類語
  4. 「含蓄」を英語で

「含蓄」の意味

「含蓄」は「がんちく」と読みます。日常会話などで使われることは少なく、どちらかといえば小説や教科書といった畏(かしこ)まった文章に使用されます。

「含蓄」の意味は以下の通りです。

  1. 含み蓄えること・含み持つこと
  2. 深い意味を内に蔵すること・ふくみ

例えば、世に知られる俳句の中には「なんと奥深い句だ」と人を感嘆させるものがあります。そのような俳句を「含蓄ある俳句」と呼ぶことが出来るわけですね。

中国で使われた「含蓄」という熟語がもとになった言葉ですが、意味もそのままに日本に入ってきたと考えられています。

「含蓄」の使い方

  • 私は彼の含蓄に富んだ小説が大好きだ。ただ文字を読むだけでなく、自分の人生について考えさせられる部分があるからだ。
  • 私が仕事で行き詰っていた頃、上司から含蓄のあるお言葉を頂いた。それからというもの仕事を始めとして全てが好転しはじめた。
  • 彼女はいつも含蓄のある言い回しを部下の私に言ってくる。おかげで彼女の意図を読み取ることが得意になった。
  • 彼女は僕に含蓄の深いほほえみを向けた。僕はそのほほえみに心を奪われ、一日中何も手に付かなかった。

「含蓄」の類語

「奥深い」

「奥深い(おくぶかい)」には「意味が深い・深遠でわかりにくい」という意味があります。特に意味が深いという点においては「含蓄」に近い言葉と言えます。

【例文】

  • 先生はこの授業を通して私たちの将来に対する考え方を変化させた。それほどまでに先生の授業内容は奥深いものだった。
  • 彼女はとても奥深い人で、我々の意見に対して賛成なのか反対なのか表情からも読み取ることが出来ない。

「深意」

「深意(しんい)」には「深い意味・深い訳」という意味があります。「含蓄」とは深い意味という点で類語と言えます。読みが同じでよく使われる「真意(しんい)」とは異なる意味を持ちますので注意が必要です。

【例文】

  • 彼の発言の深意をくみ取ることが出来なかった上司は、ただ彼の発言を批判するだけで自らが恥をかいていることに気付かなかった。
  • 私はこの小説の深意に気付いたことで、涙無くしては読み終えることが出来なかった。

「意味深長」

「意味深長」という四字熟語は論語序説という中国の古書から出典されました。日本でもよく「いみしん」という言葉を聞きますが実は「意味深長」の略なのです。その意味は以下の通り。

  • 意味が深く、含蓄のあること。
  • 言外に意味のあること。

意味自体に「含蓄」が含まれていますね。「意味深長」というと2番目の意で使われることが多いですが「含蓄」に近い意味も持ち合わせているのです。ちなみに「言外」とは「言葉に出さないところ」という意味で、一般的には「裏がある」「裏の意味で」と解釈されています。

【例文】
  • 意味深長な彼の態度はクラスメート全員を困惑させた。
  • 会社でも人気者の彼女が平凡な彼に話しかけるなんて意味深長な行動だ。

「含蓄」を英語で

「含蓄」を「含みを持つ」と解釈する場合は「connotation」「implication」を、「深い意味」と捉えるなら「significance」が適当でしょう。

例文

【例文1】

  • His haiku was rich in significance and popular with critics.
  • 彼の俳句は含蓄に富んでいて評論家に大好評だった。

【例文2】
  • I received a word with significance from a respected teacher.
  • 私は尊敬する教師から含蓄のある言葉を頂いた。


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