「本格的」とは?意味や使い方をご紹介

「本格的」という言葉には二つの意味があります。ひとつは「本来の格式をそなえている」という意味ですが、日常的には「すっかりそのようである」という意味で使っている方が多いかもしれません。ここでは「本格的」の意味や使い方を、類語・反対語や英語表現も含めご紹介します。

目次

  1. 「本格的」とは?
  2. 「本格的」の使い方
  3. 「本格的」の類語・反対語
  4. 「本格的」の英語表現

「本格的」とは?

「本格的」(ほんかくてき)には、以下の二つの意味があります。

  1. 本来の格式をそなえているさま。本式。
  2. すっかりそのようであるさま。

1の意味は、「本格的に絵を学ぶ」のように、趣味や手慰みの領分を超えて、何らかの根本的な方法に従うという意味です。さらに、「本格的な料理」のようにその対象の本質・特性を(完全に)そなえているという意味も持ちます。

2の意味は、「本格的な冬の訪れ」のように、その対象がすっかり対象らしくあるさまを意味し、こちらもその対象の本質や特性がはっきり表れていることを指します。

「本格」と「本格的」

「本格」とは、「根本の格式、もとからの正しい法式、本則」といった意味です。「格」には「きまり」という意味があるため、「本格」には、「ひとつに決まったやり方(≒それ以外を認めない)」というニュアンスがあります。

しかし「本格的」と言う場合には、性質や状態を表す「的」がついていることに注目しましょう。「本格的」は何らかの決まった方法というよりも、「その物事の本質、特性、典型的な状態や性質」を表す意味に重きが置かれています。

ある対象物の本質・特性を(ほぼ完全に)満たしていることが「本格的」であると考えると、少し使い方のイメージがつかみやすくなるかもしれません。

「本格的」の使い方

「本格的」という言葉は、原則として「本格的な〇〇(名詞)」か「本格的に〇〇する(動詞)」という形で使用します。

いずれの場合でも形容動詞として働き、何らかの事物を対象として、「その本質・特性を(完全に)そなえる」「とてもそれらしくある」という意味で使います。

例えば、「本格的な漁師」であれば、漁の方法や技術について、その本質をよく理解した人のことを指します。

注意点

「本格的」は、とても幅広い事物について「それらしい」というニュアンスで使える便利な言葉です。しかし、その便利さの裏返しとして、これといった根拠もなく「それらしい」と使われるケースもあります。

例えば「本格的なカレー」といった場合、何をもって「カレーの本質・特性を満たしている」と言えるのか明確な基準はなく、「手が込んでいる」「(作り手個人が)満足できる仕上がり」といった主観的な意味であるかもしれません。

特に、「来週から本格的に活動を開始する」などのように、未遂の形で「本格的」を使う際には、「意志の強調以上の意味はない」と受けとられてしまうこともあります。使い方には注意しましょう。

例文

  • 見事なアイディアと科学的考証だった。本格的なSF小説はこうでないと。
  • 彼は本格的なテニスプレイヤーだ。生半可な技術では太刀打ちできないだろう。
  • 雪が降る季節になると、本格的な冬が訪れたと感じる。
  • 本格的なゲームだというからプレイしたのに、内容がまったく練られておらず、しかも未完成だった。誇大広告もいいところだ。

「本格的」の類語・反対語

類語

「本格的」の類語としては、「正統」「本式」「本物」「本当」「本腰」「本気」などが適当です。

厳密には、「本格的」はこれらの言葉を「的」によって少し曖昧化した言葉といえますが、言い換え語としてさほどニュアンスの差はありません。

反対語

「本格的」の反対語を考えるにあたっては、何をもって「本格」とするか、そしてその概念を何に適用するかによって言葉を選ぶ必要があります。

「本式ではない」という点に注目すれば、「個人的」「独自の」、「手順を省略している」「本質を満たさない」という点に注目すれば、「不完全な」「未熟な」「趣味的」「試験的」「簡略的」「便宜的」「娯楽的」といった言葉も反対語たりえます。

いずれにせよ、機械的に言葉を当てはめようとせずに対象に合う表現を探すことが大切です。迷ったら、「(まだ)本格的ではない」と言ってしまうのも手でしょう。

「本格的」の英語表現

「本格的」を英語で言う場合、ニュアンスによってさまざまな表現が選択できます。代表的なものは以下の通りです。

  • full-dress(完全な、徹底的な)※"dress"の他にも"scale"や"blown"など
  • authentic(本物の、真正の、本心からの)
  • legitimate(合法の、正統の、伝統に合った)
  • serious(真剣な、重大な)
  • real(真の、本物の)
  • in earnest(真面目な、本気の)

「本格的」と呼ぶ対象が、現象なのか、伝統なのか、物質なのか、方法なのか、態度なのかによって、それに相応しい表現を選択するのがポイントです。

例文

  • They have begun a full-scale investigation.(彼らは本格的な調査を開始した)
  • The real summer has come.(本格的な夏の到来)
  • I have to do study for exam in earnest.(試験のために本格的に勉強しなければ)


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