「以前」とは?意味や使い方をご紹介

時間的な範囲を説明するときに便利な熟語「以前」。日常でも使う機会の多い言葉です。ただし「〇日以前」や「〇時以前」といった際に、どこまでの「時」を指し示しているのかが気になるところですよね。今回は「以前」の意味や使い方などをご紹介します。

目次

  1. 以前
  2. 以前の意味
  3. 以前の例文
  4. 以前の類義語
  5. 以前のまとめ

以前

日常でも馴染み深く、頻繁に耳にする「以前」という言葉。実際に使う機会も多いので、しっかりと意味を理解しておきたいですよね。ここではそんな「以前」の意味や使い方、類義語などを詳しく紹介していきます。

以前の意味

「以」という漢字

まずは、「以前」を構成する漢字「以」についてご説明します。「以」は訓読みで「も(って)」「もち(いる)」、音読みで「イ」と読み、「範囲や方向などの基点から、それより」「(・・・を)用いて」などの意味があります。

より具体的には、「以」は「用いる」や「率いる」、理由を表す「ゆえ」など多くの意味を含んでいる漢字です。「以」を使った言葉も多く存在し、「以心伝心」や「以上」「以降」などがあります。

また、「イスラエル」を表す漢字としても使われており、「以色列」と書いて「イスラエル」と読ませます。

「前」という漢字

次に、「以前」の「前」についてご説明します。小学2年生で習う漢字であり、日頃の生活に欠かせない漢字でもありますよね。「前」は訓読みで「まえ」、音読みで「ゼン」と読みます。「人間の顔(目)が向いている方向」「物の正面」「ある時点より早い時」「二つあるうちの早いほう」「中ほどより早い時期」など、多数の意味を表す漢字です。

「前」を用いた熟語や言葉は非常に多く、日常で見かけない日はない漢字ではないかと思います。

以前の意味

そんな「以」と「前」を組み合わせた「以前」という言葉には、「基点とする時や場所を含んで、それよりも前」「現在より前。むかし」「それより前の段階。基準となる段階(レベル)に達していないこと」といった意味があります。

上記の通り、多くの場合「以前」は「基点を含んでいる」ので、例えば「9日以前」というときには「9日」も含めてそれより前ということになります。

ただし、「ルネサンス期以前」や「明治以前」などのように、具体的な数値を伴わないケースでは、「基点を含めずに、それより前」を示す場合もあるので注意しましょう。

以前の例文

ここからは「以前」の使い方を紹介していきたいと思います。

 

  • 12時以前には到着する予定です。

12時を含めてそれより前という意味です。

 
  • この建物は昭和以前に建てられたものだ。

こちらの例では基点が「昭和」で、具体的な数値を伴わないので、建物は「昭和を含まない、それよりも前」に建てられたということになります。

 

  • 以前よりお会いしたいと思っていました。

「現在より前。むかし」からという意味で「以前」が使われています。

 

  • 現状は、大会に出る以前の問題だ。
こちらは「通常の段階(レベル)に達していないこと」を表現しています。実力不足などの理由で大会に出られる段階ではないという意味です。

以前の類義語

「以前」の類義語はいろいろあります。「かねて」や「かねがね」は、どちらも「以前から」と同じ意味を持っています。「前々」もほぼ同様ですが、こちらは「同じような事態が繰り返されてきた」ことを示すニュアンスも含んでいます。

また、「かつて」は「昔、あるとき」という意味で「以前」と同義です。

以前のまとめ

いかがでしたか?熟語「以前」について紹介しました。「以前」は基準となる数値が具体的である場合には基点を含み、数値が具体的に示されていない場合には基点を含まないケースもあることを覚えておくと、コミュニケーションの中で混乱することが少ないのではないかと思います。


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