「趣味嗜好」とは?
「趣味嗜好」は、(しゅみしこう)と読みます。「趣味嗜好」とは、シンプルに言えば、「個人的に好きなこと、親しんでいること、たしなんでいるもの」のことです。意味をより深く掘り下げるために、「趣味」と「嗜好」の意味を、下記にてそれぞれ解説していきます。
「趣味」の意味
「趣味」には3つの意味がありますが、「趣味嗜好」は、個人についての言葉ですので、ここで用いられている「趣味」の意味は、①と②が該当します。
- 仕事以外で、個人的に好きなこと、楽しみとしている事柄
- 好みの方向性、物の味わい、美しさ、おもむき、面白みなどにおいて、どのようなものに惹かれるかという、個人の感覚
- 物の持つ味わいやおもむき。
また、定義としては「仕事以外」ということですが、よく耳にする「仕事が趣味です」という言葉は、この2つが一致する、あるいは、趣味と呼べるくらいに仕事が好きだ、という意味で用いられます。幸せなことですね。
「嗜好」の意味
「嗜好」とは、あるものに格別な楽しみや好みを見出すこと、それらをきわめて楽しみ、親しみ、嗜むことを意味する言葉です。「嗜好」は、この言葉よりも、「嗜好品」という言葉がすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。
「趣味」との大きな違いは、その対象がおもに飲食物であること。栄養摂取のためではなく、味わい、香りなどを楽しむ酒類、コーヒーなどの飲料や食品、タバコなどが代表例です。また、ファッションや読書などの好みも対象となります。
「趣味嗜好」とは、以上のような意味を持つ「趣味」と「嗜好」の両方を表す、つまりは個人的な好みや感覚、センスについての言葉なのです。
「趣味嗜好」の使い方
自己紹介などでは「私の趣味は」が一つの定番ですが、「私の趣味嗜好は」とはあまり言いません。使い方としては、趣味嗜好が合う、趣味嗜好によって、趣味嗜好が変わった、などの使い方が一般的です。
「趣味嗜好」の文例
(A子)
初めてお見合いをしたのだけれど、相手と趣味嗜好がとても合うので、まずはお付き合いしてみることになったの。
(B男)
趣味嗜好によって、だいたいその人の性格の傾向がわかるものだね。
(C子)
アメリカに2年留学したら、日本にいたころと趣味嗜好がすっかり変わってしまったの。
「趣味趣向」とは?
「趣味」の意味は上記で述べましたので、「趣向」について解説します。「趣向」には、おもに次の2つの意味があります。
- おもむき、趣意、感性や感じ方の傾向
- 面白み、趣き、味わいなどが出るように工夫すること、またその工夫自体のこと
つまり、「趣味趣向」は、趣味の方向性や雰囲気、趣味における取り組み方や工夫などを意味する言葉です。「趣味嗜好」が、好きなことやたしなんでいることを意味する言葉であることから、2つの言葉の違いは明らかです。
なお、「趣味趣向」は、あまり使われることがないため、「趣味嗜好」の言い間違えと誤解されることもありますが、正しい使い方です。
「趣味趣向」の文例
(A男)
鈴木君の趣味趣向は、絵画鑑賞、音楽鑑賞、わけても個展やコンサートなどに実際に足を運んでリアルな体験をすることだそうだ。
(B子)
私の趣味趣向と言えば、料理でも手芸でも、とにかく手作りして生活にいかすこと、それに尽きるわ。