「順不同」とは?意味や使い方を対義語を含めてご紹介

「順不同」は、イベントや式典の来賓紹介などでよく見聞きする言葉です。「順」が順番の「順」とわかれば、意味も推測できますね。上下関係を重んじる文化の日本において、この言葉は非礼を防ぐために活躍します。今回は、「順不同」の意味と使い方をご紹介します。

目次

  1. 「順不同」とは?
  2. 「順不同」の使い方
  3. 「順不同」の類語
  4. 規則に従った並べ方の例

「順不同」とは?

「順不同」(じゅんふどう)と読みます。「順」は多義的な言葉ですが、「順不同」で用いられるのは、順番、順序、という意味の「順」です。

「不」は、~でない、~しない、という打ち消しの助字ですから、「不同」「同じではない」という意味になります。

したがって、「順不同」(もしくは順序不同)とは、対象となる事物、人などがなんらかの基準にそった並び方になっていないこと並び方になんの基準もないこと、を意味します。

「順不同」という言葉の役割

社会生活には、複数の人名を公表したり、紹介したりする機会が多々あります。たとえば、イベントや式典の来賓紹介、あるいは映画などにおける出演者や製作者のリストなどが当てはまります。

さまざまな分野の肩書をもつ人々を、その地位や職位によって並べるのは複雑な作業です。さらに、日本は上下関係を重んじる傾向にあるため、失礼のないようにリスト化するのは至難の業でしょう。それでも、非礼だとクレームがくることがあるかもしれません。

そんな時に便利なのが、この「順不同」という並べ方です。明らかに高い役職や地位の人を、最初に上下区分で並べ、それ以下を「順不同」とするなど、臨機応変な使い方もできます。

もうひとつは、試験の選択肢の複数解答が可能な場合などの添え書きに付加される「順不同」。解く時間が少しでも欲しい学生にとっては、①②③、あいうえお、などの順番に拘らずにすむのは助かりますね。

「順不同」の使い方

「順不同」は、用いるシーンごとに適した使い方があります。来賓紹介などを口頭で行う場合は、実際に名前を読み上げる前に、「ご紹介におきましては順不同でありますことをご了承ください」などのように、肩書や上下によらない並び順であることをアナウンスします。

名簿などの記述においても、冒頭に(順不同)と括弧で記すことが一般的です。わけても人々の所属ジャンルが多岐にわたるときには、(敬称略)をセットで加えるケースもあります。

試験の選択肢問題においては、問題の説明の最後に(順不同)と記すことが多いでしょう。

「順不同」の文例

  • 「ただいまより、ご来賓の皆様のご紹介に移ります。なお、紹介順は順不同でございますこと、なにとぞご了承くださいませ。」
  • イルミネーション・フェスティバル寄付者一覧(敬称略・順不同)
  • 「出発する」という意味をもつ英語表現を、下記のA~Gの選択肢のなかから選んでください。複数可。(順不同)

「順不同」の類語

無作為(むさくい)手を加えず、偶然にまかすこと。無作為で並べる場合、なんらかの基準によらない、という意味で「順不同」の類語たりえます。
【文例】1から7までの数字を無作為に並べたとき、何通りになるかを求めよ。

ランダム(アットランダム)無作為、任意によることの英語のカタカナ表記。(カタカナ語として浸透している)
【文例】肩書も上下関係もない単なる自転車好きの祭典ですから、参加者名簿の並びはランダムです。

規則に従った並べ方の例

「順不同」は、無作為に並べることなので、なんらかの基準によって並べる方法は、すべて対義的と言えるでしょう。代表的なものを二例挙げてみます。

年齢順:人の年齢の順に添って並べる方法。一般的には、最年長を筆頭に、高齢から若い年齢へと並べていく。幅広い年齢層の集団において区分しやすい方法。
【文例】A町の町内会名簿は、最高齢100才の鈴木三郎さんを筆頭に年齢順に制作されている。

先着順:郵送や順番受付のリストなどにおいて、先着の順番による区分の方法。
【文例】受付リストは先着順となっております。記入してある先着ナンバーの椅子に各自ご着席ください。

 


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