「礎」の意味
「礎」は「そ」「いしずえ」「いしじ」と読み方が3つ存在します。読み方は異なりますが意味はほとんど変わりません。「礎」には以下のような意味があります。
- 柱の基石、物事の土台
- 家屋の土台石、物事の基礎となるもの
「そ」や「いしずえ」は読み方としては一般的ですが「いしじ」は初めて聞いた方が多いかもしれません。実は「いしじ」は沖縄の方言で「いしずえ」の事です。
「礎」の使い方
- 彼が一生をかけて確立した技術は必ずやこの国の礎(いしずえ)となるはずだ。
- 歴史を振り返ると数々の偉人が名を残してきたが、1人ひとりが今の日本の礎(そ)となっている。
- せっかく沖縄に旅行で来たのだから平和の礎(いしじ)を見て帰ろう。
「礎」を使った熟語
「基礎」
「基礎」は「きそ」と読みます。以下の意味があります。
- その上に建物を建てたり大きな装置を設置したりするために据える土台。
- それを前提をして事物全体が成り立つような、もとい。
- 建築に先だって地面をならし固めること。
「基」という漢字にも、「もととなるもの。土台」という意味があるので「基礎」は似た意味の漢字を重ねて意味を強調した熟語と言えます。
【例文】
- 応用問題を解くにはまず基礎をしっかり把握する必要がある。
- 家屋は地震に耐えるために基礎をしっかり建築するべきである。
「定礎」
オフィスビルやデパートなどに「定礎」と書かれた石が置かれている、または埋め込まれているのを見かけた事があるでしょう。
これは「ていそ」と読みます。建物の工事を始める際に記念として据えられる石の事で、工事開始の日時が記入されるのが一般的です。
【例文】
- デパートの入口にある定礎を見れば、着工時期がいつだったか思い出せる。
- 大通りを歩いていたら偶然ビルの定礎式に出くわした。
「平和の礎」
「平和の礎(いしじ)」は沖縄県糸満市にある慰霊碑の事です。沖縄戦の際に命を落とした人物の名を敵味方関わらず刻んであります。その数は24万人を超えます。
【例文】
- 平和の礎を見に行ったが、その規模に圧倒された。
「礎」の類義語
「下地」
「下地」は「したじ」と読みます。以下のような意味があります。
- 物事をなすための、またある状態になるための基礎となるもの。土台。素地。
- 本来の性質。素質。うまれつき。
- 本心。しんそこ
1の意で「礎」と同じ意味を持ちます。
【例文】
- 彼の礼儀正しさの下地には親の厳しいしつけがある。
- 彼女の成功の下地には確かな努力がある。
「根底」
「根底」は「こんてい」と読みます。「物事の土台となっているところ、事柄」を意味する言葉です。
【例文】
- 彼の論文は根底から間違っている。
- 彼女は歴史の根底を覆すほどの発見をした。
「礎」を英語で
「礎」は英語で表記すると「cornerstone」や「foundation stone」になります。また「基礎」は「base」と訳されます。
【例文1】
His achievements will surely be the foundation of the country.
(訳:彼が残した功績は必ず国の礎となるだろう)
【例文2】
The foundations of the building were marked on 22 December 2019.
(訳:あのビルにある定礎には2019年12月22日と書かれていた)
【例文3】
High-rise buildings seem to have a solid foundation for earthquakes.
(訳:高層ビルは地震に備えて基礎がしっかりしているようだ)
【例文4】
A foundation ceremony was held at a huge department store in front of the station last month.
(訳:先月駅前の巨大デパートで定礎式が行われた)