「挙って」とは?意味や使い方をご紹介

「挙って」は、読みづらい漢字の一つです。皆さんは読めますか。答えは「こぞって」です。読み上げられたら、聞いたことがあるという人も多いでしょうが、意味を問われると戸惑うかもしれませんね。今回は、「挙って」の意味と使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「挙って」とは?
  2. 「挙って」の使い方
  3. 「挙って」の類語

「挙って」とは?

「挙って(こぞって)」は、難読漢字の一つです。「挙」は、選挙、挙手などの熟語で頻繁に目にする漢字ですが、「挙って」となると戸惑うのではないでしょうか。

クリスマスシーズンは、あの有名な賛美歌の一節「諸人(もろびと)こぞりて迎えまつれ」があちらこちらから聞こえてきますね。

「挙って」の意味

「挙って」は「こぞりて(挙りて)」の音が変化したものですから、ここから意味が推測できるでしょう。「挙って」は、ひとり残らず、みんなでという意味です。

もう少し詳しく解説すれば、「挙って」は、単に「みんなで」というよりも、ある団体、集団に属する人々のすべてが、同じ行動をする様子を表しています。

「挙」の字について

「挙って」の理解を深めるために、「挙」という漢字について解説します。「挙」の音読みは(きょ)、訓読みは(げる、がる、こぞる、こぞって)です。

「挙」は、一説には、両手を揃えて持ち上げる、幾人かが一緒に手を組むといったイメージを表す字と言われています。「挙」には多くの意味を持つ漢字ですが、〜をあげて全部、みんなといった字義があるのはそのためです。

「挙って」と読み方は違いますが、村のみんなで行うイベントといった意味で「村を挙げてのイベント」と言いますね。「挙世(きょせい)」は世の中の人々みんな、「挙家(きょか)」は一家全員を指します。

なお、「挙」と「拳(こぶし)」は、互いに間違えやすく、混同されやすい似通った字ですので、読み書きの際に間違わないように注意しましょう。

「挙って」が読みがたい理由

「挙って」を(こぞって)と読みがたい理由の一つに、(こぞる、こぞって)という読み方が常用漢字表に載っていないことが考えられます。

そのため、一般的にはひらがな表記されることが圧倒的に多くなりますから、「挙って」という表記そのものを目にすることが少なく、読み方を知る機会があまりないのです。

なお、「常用漢字表」とは、内閣告示によって示された、法令や公用文書、マスメディアなど一般の社会生活で国語を書くときの漢字使用の目安をまとめたものです。

「挙って」の使い方

「挙って」を使うときの最大のポイントは、何が、あるいはどのような集団の人々がみんなで一緒になのか?ということをはっきりさせる点にあります。

たとえば、「諸人こぞりて」は、諸人(すべての人)が挙ってということですね。このように、社員が挙って野球部が挙ってと、「何が」の部分を明記しましょう。

また、単に「商店街の歳末セール」というよりは、「商店街挙っての歳末セール」としたほうが団結力をアピールできますね。

「挙って」の文例

  • 学園祭では、A組が挙って一教室をお化け屋敷に変えたイベントが大盛況だった。
  • このたびのジュエリーフェアでは、店員挙ってお客様のご来店をお待ちしております。
  • いつもはまとまりのない生徒たちが、修学旅行の廃止にはみんな挙って反対した。
  • ひかり商店街挙っての歳末セールでお買い物をお楽しみください。

「挙って」の類語

「勢揃い」の意味と使い方

勢揃い(せいぞろい)とは、大勢の人々が、ある目的で一か所に集まることを意味する言葉です。

【文例】人気絶頂のアーティストたちが、ずらりと勢揃いしたステージは圧巻だった。

「総出」の意味と使い方

総出(そうで)とは、全員が揃って出ていくことを意味する言葉です。「総出」の前に、必ず、団体、組織、人々のグループなどを具体的に表して使います。

【文例】アメリカに移住して20年になる従弟一家が来日した際は、親戚一同総出でもてなしたものだ。


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