「嬉々」とは
「嬉々」とは、嬉しそうな様子、大喜びなさま、たいそう喜んでことに当たる様子です。言葉を重ねて語調を整え、「嬉」の意味を強めています。多くの場合、「嬉々として」と副詞的に用いられます。
しかし、一般的には「嬉々」や「嬉嬉」ではなく、同じ読み方でほぼ同義の「喜々」や「喜喜」と表記されるケースが多いでしょう。これは、「嬉」という字が常用漢字ではないためです。
「嬉しい」など、馴染みの深い言葉もありますから、「嬉」が常用漢字ではないことに対して、意外に感じる方が多いかもしれませんね。
「嬉々」の使い方
「嬉々」は、上述したように「嬉々として」と副詞的に使うことが一般的です。喜びを表す言葉ですから、嬉々として「何かの動作をする」といったニュアンスで用いるのが適しているでしょう。
ですが、「嬉々として喜ぶ」とすると、意味を重ねてしまうことになりますので注意が必要です。
また、「嬉々として」は人が喜んでいる様子を表現するもので、自分の感情を表すために使うのは相応しくありませんので、こちらも留意しましょう。
例文
- テストが終わるやいなや、子どもたちは嬉々として外に遊びに出かけた。
- 彼は間もなくお気に入りの本と道具を手に、嬉々として戻って来た。
- 電話口の彼女の声は平静を装っているが、隠しきれない嬉々とした響きを感じる。
「嬉々」の類似表現や関連語
類似表現
喜びの感情を表す「嬉々」の類似表現には、「弾む気持ち」、「上機嫌」、「舞い上がった」、「浮かれ気分」などが挙げられます。ニュアンスは少しずつ異なりますが、どれも明るくポジティブな印象を受けますね。
より日常的で身近な表現では、「ハッピー」や「ウキウキ」なども当てはまります。場面や状況にフィットした言葉を選び、使い分けるとよいでしょう。
関連語
「喜色満面」とは、喜びの気持ちが、顔全体にあふれ出ている様子、喜びが心の中に隠しきれず、顔中に満ちあふれていることを指します。「嬉々」が体全体で気持ちを表しているのに対して、「喜色満面」は顔の表情で喜びを表現しています。
「狂喜乱舞」とは、非常に喜んで興奮し、羽目を外して舞うことの意です。舞い踊るほどの喜びですから、「嬉々」よりもさらに大きな喜びや、激しい動きをしている様子が想像できますね。
「嬉々」の反対表現
「嬉々」と反対の意味は、さまざまな解釈ができますが、「落ち込んだ」様子や「仕方がなく」といったニュアンスで使う表現をご紹介します。
「悄然(しょうぜん)」:元気がなく、しょげている様子。憂いに沈むさま。
例:妻の亡き後、彼は悄然として過ごしていたが、やがて少しずつかつての快活さを取り戻した。
「渋々」:不本意ながら仕方なく、気が進まないまま行動する様子。
例:渋々といった様子を隠そうともせず、彼らは物を動かし始めた。
「嫌々」:そうしたくはないと思いながら止むを得ず、不本意ながら、心ならず。
例:何度も誘われた結果、嫌々ながら出かけて行った。
「嬉々」の英語表現
「嬉々」の英語表現は、喜びや楽しさを表す「joyful」、「glad」などが挙げられます。
A flood of brilliant, joyful light poured from her face.
(訳:喜びに満ちた幸せな輝きが彼女の顔に溢れた。)
I am so glad to hear that.
(訳:それが聞けてとても嬉しい。)