「ワイ将」の意味
プロ野球において、「虎将」とは阪神タイガースの監督のこと。また、読売ジャイアンツの原辰徳監督は、「若大将」の愛称で親しまれています。このように、プロ野球チームの監督は「○○将」と呼ばれることがあります。
「ワイ将」とは、2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)などにおいて、「私は」「自分は」などの代わりに好んで用いられる、一人称代名詞。関西弁における一人称の「ワイ」、プロ野球チームの監督を指す「将」を組み合わせたネットスラングが「ワイ将」なのです。
「ワイ将」の使い方
次の例のように、「ワイ将」は先頭に置かれることが多く、ネット上の人々に報告するような文章で用いられます。
- 「ワイ将、一夜漬けするも赤点」→私は一夜漬けをしたが赤点だった。
- 「ワイ将、彼女に振られる」→僕は彼女に振られました。
上で説明した通り、「ワイ将」は2ちゃんねるやニコニコ動画において使われることが多い言葉ですから、これらに関心を持たない人には意味が通じない可能性があります。
したがって、「ワイ将」を使用するのは、SNSなどにおいて、相手が理解してくれそうな場合に限った方が良さそうです。
「ワイ将」の元ネタ
「ワイ将」という言葉が登場したのは、2ちゃんねるの板のひとつ、2004年に設立した「なんでも実況ジュピター」(略称:なんj)です。
この板は、その名の通り何かを実況するための場として作られましたが、2009年頃からは、野球に関する実況書き込みが多数を占めるようになりました。
「ワイ将」の「将」が野球の監督に由来することも、「なんj」の利用者が野球好きだったことが関係しているようです。なお、「ワイ将」の意味はわかっているのですが、初出はいつなのか、誰が広めたのかなどはわかっていません。
「なんj語」とは
上記の「なんj」で用いられている独特の言葉は、まとめて「なんj語」と呼ばれています。「なんj」が野球に関する板であることから、「なんj語」のほとんどが野球に関する言葉。「ワイ将」も「なんj語」のひとつです。
他にもある「なんj語」
【どすこい】
読売ジャイアンツの山口俊投手、もしくは西武ライオンズの山川穂高選手の愛称。山口投手については、父親が元力士であることに由来します。
一方、山川選手は見た目が御嶽海関に似ており、力士のようなポーズで「どすこい」と叫ぶパフォーマンスをしていることから、そう呼ばれているのです。
【○○ンゴ】
元ネタとなったのは、元楽天イーグルスのドミンゴ・グスマン投手。クローザーを任されていたグスマン投手ですが、リードを守りきれずに逆転されることが多くありました。
その様子はネットで「ドミンゴwww」など書かれるようになり、そこから派生して、「やらかした」「痛恨のミス」というニュアンスで「終わったンゴ」のように用いられるようになったのです。
【ぐう畜】
「ぐうの音も出ないほどの畜生」の略で、 反論の余地もないほどの畜生な行為を指す言葉です。「巨人小笠原」スレッドという、実在の選手とは無関係のネタ投稿用のスレッドで生まれました。
その後、この「ぐう○○」は色々な言葉とつなげて使われるようになります。例えば、「ぐうかわ」は「ぐうの音も出ないほど可愛い」の略で、「思わず言葉を失うほど可愛い」という意味です。
「ワイ将」の類似語
「ワイ将」のように、ネットで用いられている一人称代名詞に「俺氏(おれし)」という言葉があります。使い方は「ワイ将」と同じですが、「俺氏」の方が「ワイ将」よりも使用頻度が高いかもしれません。
- 「俺氏、アルバイトクビでニート確定」→僕はアルバイトをクビになり、ニート生活が確定した。
- 「俺氏、おかしな客に煽られる」→俺はおかしな客に煽られた。
「ワイ将」まとめ
「ワイ将」は現在でも使われています。しかし、ネットスラングはすぐに流行る一方で、死語となるのも早いもの。「ワイ将」がネットの世界を飛び出して一般に認識されるのか、ネットに埋もれて死語になるのか、気になるところですね。