「ジョジョ立ち」とは
「ジョジョ立ち」とは、漫画およびそれを原作とするさまざまなメディアに登場する作品である『ジョジョの奇妙な冒険/JOJO'S BIZARRE ADVENTURE』(荒木飛呂彦著、集英社)の登場人物がとる奇抜なポーズのことです。
加えて、それらのポーズにインスパイアされた個人(ファン)が、『ジョジョ』の要素を現実世界に取り込もうとして行う一連のアート活動(ポージング)も指します。
辞書における「ジョジョ立ち」
意外に思われるかもしれませんが、実は「ジョジョ立ち」は、『イミダス』や『現代用語の基礎知識』といった辞書にも載っているれっきとした現代用語です。
"ジョジョ立ち[外来語・カタカナ語]", 現代用語の基礎知識 2019, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2019-11-13)
しかしながら、『ジョジョの奇妙な冒険』も「ジョジョ立ち」も、その初期から広く知れ渡っているものではありませんでした。
『ジョジョの奇妙な冒険』とは
『ジョジョの奇妙な冒険』は荒木飛呂彦(あらき・ひろひこ)による漫画作品です。初期においては「ジョジョ」というニックネームの主人公が活躍する冒険活劇でしたが、第3部(スターダストクルセイダーズ:1989年〜1992年連載)の主人公「空条承太郎(くうじょう・じょうたろう)」以降はその限りではありません。
第1部〜第7部序盤まで『週刊少年ジャンプ』(1987年~2004年)で連載し、2005年4月号以降は『ウルトラジャンプ』にて7部の続編を連載、現在は同誌で第8部となる『ジョジョリオン』を連載中です。
元々はジャンプ漫画の中でもコアなファン層をもつカルト的な作品として知られていました(ジャンプにおける掲載順は最後の方が定位置=アンケート結果が振るわない)が、OVAや劇場用アニメ化を経て、2012年~2019年にかけて発表されたテレビアニメは大人気となりました。
また、作者の荒木氏は美術作品や音楽、映画、アート、ファッションなどから幅広く引用する独自のセンスが評価され、2009年には日本人漫画家初となるフランス・パリのルーヴル美術館に個展を出展。
2013年には『ジョジョリオン』が第17回文化庁メディア芸術祭にてマンガ部門大賞を受賞するなど、単なる漫画家を超えた現代アーティストとして認知されています。
「ジョジョ立ち」の特徴
「ジョジョ立ち」の特徴は、何と言ってもその奇妙でアクロバティックなポーズにあります。原作者の荒木飛呂彦は彫刻作品などにインスパイアされたこれらのポーズを、あえて人体の限界を超えて「不可能なように描いている」と言います。それゆえ、「ジョジョ立ち」を行う人が現実に現れた際にはとても驚いたと言います。
それはファンたちにしても同様で、作品としての『ジョジョ』がブームになる前から、ある種人体の限界に挑戦する表現芸術として行われていました。そうした活動はインターネットなどを通じて拡散されブーム化。2012年11月には東京ドームを会場にしたイベントなどが行われるほどまでに認知されるようになったのです。
また、箱根駅伝の走者がゴール後に行なったり、著名なアーティストがパフォーマンスの中に取り入れたことなども話題になっています。
「ジョジョ立ち」の歴史
このように「ジョジョ立ち」は、初めは全く認知されていない中、コアなジョジョファンによって生み出され、広められていったものでした。
その起源と言われるのが、「墓マイラー」としても知られるカジポン・マルコ・残月氏の個人サイト「文芸ジャンキー・パラダイス」です。このサイトにおける企画、「ジョジョ立ち教室」が火付け役となり、さながら野火の広がるように、「ジョジョ」の魅力はインターネット中に、そしてついには現実世界まで波及していったのです。