「心意気」の意味
「心意気」(読み:こころいき)は、「心」と「意気」が合わさった三字熟語です。
「心」は人間をはじめとした動物の精神の動きや考え方を表しています。思いやりや情けなどの優しさ、憎しみや妬みなどの悪い気持ちなどの、様々な感情の動きが含まれていますね。
「意気」は積極的な気持ちや気性、何かを成し遂げようとする根性など、人の感情の中でもかなり強い思いが感じられる言葉です。
性格・さっぱりとした気性
「心意気」という言葉は、その人の持つ性格を指す場合があります。特に、気立てが良い所、さっぱりとした気性を褒める意味で使われることが多いです。
清々しく爽やかで不愉快な気持ちを起こさせる所がまったくない人や、嫌味がなくネチネチとしたしつこさが全く感じられない性格などを表しています。
【使用例】
- 怪盗であっても、正々堂々と振る舞うアルセーヌ・ルパンの心意気は素晴らしいね。
- 潔く負けを認めて挑戦者を称える、前回の覇者の心意気は見習わなくてはいけない。
積極的に取り組む・気概
「心意気」という言い回しには積極的に取り組もうとすること、根性があること、決してくじけない意思を表す気概の意味もあります。現在はこれらのような意味で用いられる機会が多いでしょう。
心意気やよし(やる気があって良い)・心意気を感じる(積極的な意気込みを感じる)・心意気を買う(やる気がある所を尊重する・高く評価している)というような使い方をすることもあります。
いずれの用いられ方にも、意気込みや積極的なやる気、根性がある所を見込んで褒めているニュアンスが入っています。
【使用例】
- 目標を達成するまで諦めない強い心意気を感じる。
- 希望のために努力を欠かさない、その心意気やよし。
- あなたのモットー「職場の環境を良くしたい」という心意気を買っているよ。
「心意気」の類語
性格・さっぱりした気性の類語
【気風が良い】(読み:きっぷがいい)
「気風が良い」(「気風の良い」と表すことも)とは、日頃の言動から清々しく思い切りの良い気性のことを言います。主に江戸っ子の男性の理想的な性格を表す時に使われます。
- 威勢がよくて気風の良いお兄さんだね。
- あの売り場の人は気風が良くて、どんどんお客が集まってくる。
積極的に取り組む・気概の類語
【意欲】(読み:いよく)
「意欲」とは、対象となる物事について、自ら進んでしようとすることです。
- 意欲がある人を採用するつもりです。
- 彼は何事も意欲的に取り込もうとする性格だ。
「心意気」の反対語
性格・さっぱりした気性の反対語
【しつこい】
色柄、味、匂いなどがくどくて濃厚で、ずっと後に残っている嫌な感じや雰囲気を表しますが、人の性格や気性を表す場合もあります。
「心意気」のさっぱりした気性とは反対に、やたらと物事にこだわって、面倒で煩わしいと思わせる性格を表します。くどくどといつまでも同じことをし、つきまとってうるさく執念深い気性のことも言います。
- Aさんは非常にしつこく、同じ嫌味をぐちぐちと言われて迷惑している。
- 先輩はしつこいストーカー気質で有名。上司にも同僚にも部下にも嫌われている。
積極的に取り組む・気概の反対語
【消極的】(読み:しょうきょくてき)
自ら進んで何か物事をやろうとしない様子を言います。引っ込み思案で、面倒で自信がなく何もかも否定して行動をしないような所が見られるでしょう。
- 何事にも消極的な態度をとるので、何かをやらせようとしても無駄だよ。
- 水を向けても消極的なので、アイディアを採用する気がないのが見て取れるね。
現代ではあまり使われない「心意気」の意味
なったつもり
あたかも他の人のようになったつもりで振る舞うという意味で、「心意気」を使うことがあります。「役者の心意気で」というと、「すっかり役者になったつもりで振る舞って」という意味です。
こころ‐いき【心意気】 の解説
なったつもり。また、気どり。 「艶二郎は役者・女郎などの-にて/黄表紙・艶気樺焼」
根底にある本当の気持ち
「心意気」を、心の奥底にある本当の気持ちという意味で使う例もあります。真実の気持ちや、表に出して言えない本音、片思いでひたすらに相手を慕う心情などを表しています。
歌舞伎の用語
歌舞伎の用語で「心意気」が使われることもあります。歌舞伎の演技で、劇中の人物がセリフを入れずに、心の内を表すために身振りや仕草、表情で演技をすることです。「思い入れ」という言葉を使う場合もあります。