「お祈りメール」とは?意味や使い方をご紹介

「益々のご活躍をお祈り申し上げます」多くの人が一度は経験する就職活動。不採用だった場合、その通知が就活生のもとに届くわけですが、その多くが冒頭の言葉で締めくくられています。今回はこの「お祈りメール」の概要を「お祈りメールの例文」などを踏まえて紹介していきます。

目次

  1. 「お祈りメール」の意味
  2. 「お祈りメール」という言葉の使い方
  3. 「お祈りメール」に返信
  4. 「お祈りメール」の例文
  5. 「お祈りメール」の精神性
  6. 「お祈りメール」まとめ

「お祈りメール」の意味

「お祈りメール」とは、企業・会社から就活生・求職者へ送られる不採用通知のことを指します。メールの文面に「うちの会社では不採用です」というお知らせの他に「他に良い会社が見つかると良いですね」や「就職活動うまくいくと良いですね」のような「お祈り」が込められています。

また、不採用を出した張本人(企業)からの「お祈り」のため、時として就活生・求職者の怒りを買うことがあります。

「お祈りメール」という言葉の使い方

A「就職活動が終わらないよ~もう20社目だよ」
B「就活大変だよね」
A「あ、メールが来た!」
B「採用通知かな?」
A「また企業からお祈りメールが届いたよ!またダメだった!」
B「次、頑張ろうよ!」


就職難と言われる現代社会ではよく見る光景です。20社を超える企業を受ける就活生は少なくありません。上記のシチュエーションのように、面接を受けた会社から不採用の知らせが届いたときに使います。

不採用をお知らせするメールなので、「不採用通知」が正式な名称ですが、もし上記のような場面で「不採用通知が届いた」なんて言うと堅苦しさを感じてしまいます。そういうときには「お祈りメール」という言葉を使って、やや自嘲気味に述べると上手な使い方です。

「お祈りメール」に返信

お祈りメールは「通知」です。そのため、基本的に返信は不要です。不採用にした就活生・求職者からいちいち返信が来たら企業は大変です。返信したところで、もう終わった関係です。「ごめんね、やっぱり採用するね」なんてことは、まずありません。返信の文面を考えて時間を費やすくらいなら、他の企業を探しましょう。

ただ、「人事の担当の人に迷惑をかけた」逆に「とてもお世話になった」と個人的に感じているのなら、返信をしてもいいかもしれませんね。そこは人間として、社会人として常識の範囲で行動するべきでしょう。

「お祈りメール」の例文

ここまで、お祈りメールの意味と使い方を紹介しましたが、お祈りメールはどのような文面なのでしょうか。例文を用いて紹介します。

お祈りは文末で述べる

〇〇様

〇〇株式会社採用担当の△△です。

先日は弊社の採用面接にお越しいただき、ありがとうございました。

慎重なる選考の結果、まことに残念ながら、今回は貴意に添いかねる結果となりました。
〇〇様のご志望にお応えすることができず恐縮ではございますが、何卒ご了承いただければと存じます。

末筆ではございますが、〇〇様の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。

上記の例のように、メールの結びでお祈りを述べます。基本的なお祈りメールの構成は「挨拶→来てくれてありがとうの感謝→不採用です→お祈り」というものが多いです。

後述しますが、お祈りメールの問題点は、「不採用となった理由が書かれていない」ということです。確かに「あなたのココがダメです。以下に述べます」なんて書いてあったら、傷つきますよね。しかし、何も書いていないので、「失敗を次に生かせない」「悪いところを考えすぎてしまう」という弊害があるのも事実です。

「お祈りメール」の精神性

不採用の通知を述べるだけなのに、やけに丁寧だと感じませんか。会社側としては、選考基準に満たなかった就活生・求職者を「うちには要りません。さようなら」と一蹴することだってできるはずです。にもかかわらず、とても申し訳なさそうにするのはなぜでしょう。

企業の印象を悪くしたくない

採用する側と採用される側という枠組みが外れると、そこにあるのは生産者と消費者という、物を売る側と買う側という構造になるます。求職者を無下にするということは、消費者を無下にすることに繋がります。そのため、会社によっては、お祈りメールとともに自社製品を送ることもあります。

お祈りメールで心を病む就活生

20社近い企業を受ける大学生もいる最近の就活事情。お祈りメールを受け取りすぎて、心を病んでしまい「もう就活したくない」という大学生が少なくないようです。お祈りメールのほとんどは落選理由を教えてくれません。

「今回の面接は手ごたえがあったぞ!」
「印象よく受け答えできたはず!」

なんて、就活生が思っていても、そんなことはお構いなしに「お祈りメール」はやってきます。その結果、不採用の理由が分からないため、「自分のどこがダメなのだろう…」という状態になり時に病んでしまうわけです。

お祈りメール返し

内定辞退届をお祈りメール調にして、企業に送った方がいるそうです。上の例文をもとにすると、

「末筆ではございますが、御社の益々の発展をお祈り申し上げます」

という内容になるでしょうか。twitterなどのSNSで「スカッとした」「因果応報」などというコメントが多く述べられていたことから、お祈りメールに業を煮やしている就活生が多いということですね。しかし、お祈りメール返しをして採用担当からお怒りの電話がかかってきた方もいるようなので、辞めた方が無難ではあるでしょう。

「お祈りメール」まとめ

就活生も企業もあまりメリットがないように思えるお祈りメール。しかし、「お祈りする」ことで不採用をお知らせする心苦しさを緩和させたお祈りメールには、奥ゆかしさというか日本人らしい優しい精神性が込められているのではないでしょうか。(できるかぎり、もらいたくないですけどね!)

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