「太鼓判」とは
「太鼓判(たいこばん)」は絶対に大丈夫、100%確実であるという意味です。行動なら必ず成功する、人やものの品質なら優れていることを請け負えるという確かな保証です。
元々は、太鼓のように大きなハンコのことを「太鼓判」と呼んでいました。非常に大きなこのハンコは保証人になる時に使ったそうです。そこから、何かを保証するという意味で使われるようになりました。
「太鼓判」の使い方
太鼓判を押す
「太鼓判」は元々ハンコの一種だったので、「太鼓判を捺す(おす)」という形で使います。「太鼓判を押す」とも言います。
後述する類語とは違い、専門家や権力者以外の一般人の保証に気軽に使える言葉です。人や物、事柄などの区別もなく使えます。
一般人の保証であるぶん確実とは言えず、あくまでも話し手にとっての確実性やおすすめです。主観の入った表現であることには注意しましょう。反面、気持ちの伝わる言葉とも言えますね。
例文
- この子は近年まれなくらい見どころのある学生でね、一番のおすすめです。太鼓判を押しますよ。
- 今の成績なら大丈夫。このままいけば合格できるよ。そう太鼓判を押してもらった。
- プロが太鼓判を捺して勧めていたという一流レストラン。
「太鼓判」の類語
お墨付き
「お墨付き」とは権威や権力のある人から保証を与えられているという意味です。その道のプロが認めるくらいに正確さや信ぴょう性が高いということですね。
かつては幕府や大名が家臣に与えた証書のことでした。その場限りの出まかせではなく、後々確かめられるような正式な証拠となる文書です。そこには黒い花押(かおう)が書かれていました。
花押とは今でいうサインに当たるもので、自分の名前をアレンジした署名用の記号です。印鑑を彫って作ることもありましたが、手書きされることもありました。墨で書かれていたから「お墨付き」というわけですね。
折り紙付き
「折り紙付き」とは価値や性質に関して一定の評価がついているという意味です。信頼できるくらいに高い評価を得ていることを表します。レビューサイトでいう星四や星五ですね。
ここでの「折り紙」は折り鶴や手裏剣をつくる遊びのことではありません。掛け軸や刀などに付けられていた鑑定保証書のことです。誰が作成し、どんな由来があるのか書かれていたそう。
朱印状や奉書など幕府のつくった正式書類も指した言葉で、お上の保証書がついているくらい確かなものということだったのです。そこから、保証書がついているくらい信頼できるという意味で使われました。
ちなみに、「折り紙付き」は良い評判があることにしか使いません。悪い内容で定評があるなら「札付き」を使いましょう。犯罪者や悪人として名をはせているという意味です。
請け合い
「請け合い」とは請け負うことや引き受けることです。特に、「~すること請け合いだ。」という形で使われる場合、間違いないと保証できるという意味です。うまくいくという自信や確信があるのでしょうね。
「太鼓判」のまとめ
「太鼓判」とは絶対確実という保証です。「太鼓判を捺す」という形で使うことがほとんどで、一言添えることもできます。
保証を与えることは「お墨付き」や「折り紙付き」とも言います。偉い人からの保証なら「お墨付き」、定評があるという保証やプロの保証なら「折り紙付き」、素人の保証なら「太鼓判」や「請け合い」を使います。