「後進の育成」とは?意味や使い方をご紹介

ビジネスシーンなどで目にすることのある「後進の育成」という言葉ですが、若い人にはあまりピンと来ないかもしれません。一方、社会でそれなりの地位にあるミドルシニアには切実な問題の一つ、と言えるでしょう。この記事では、「後進の育成」について解説します。

目次

  1. 「後進の育成」:意味
  2. 「後進の育成」:例文
  3. 「後進の育成」:類語
  4. 「後進の育成」:英語での表現
  5. 「後進の育成」と「人材の育成」の違い
  6. 「後進の育成」:ポイント

「後進の育成」:意味

「後進の育成(こうしんのいくせい)」とは、自分の後から進んでくる後輩に自分の知識や経験、技術などを伝えて、それらを後の世に伝えるための人材を育て上げることを言います。

「後進」とは?

「後進の育成」の「後進」は、学問や伝統、仕事などで先人が歩いた道を後から進むことや、進んだ人そのもののことを言います。同じ意味の言葉には「後輩」があります。対する言葉は「先進」、「先輩」などです。

「後進」にはほかに、車などが後ろ向きに進むこと、という意味もあります。この場合の同じ意味の言葉は「後退」で、対する言葉は「前進」です。

「育成」とは?

「育成」とは、りっぱに育て上げることを指します。「人材の育成」、「後継者の育成」、「育成選手」のように使われる言葉です。

「後進の育成」:例文

  • 目先の利益にとらわれ、後進の育成に力を注いでこなかった会社の多くは、社員が育たずに、継続した成長が望めなくなっている。
  • 営業部で長年トップの業績を上げてきたAさんが体調を崩し、今までと同じように働くのが難しくなったため、今後は第一線を退いて後進の育成に当たることにしたそうだ。
  • 後継者不足によって伝統産業が先細りになっていくことを防ぐため、官民一体となって後進の育成に尽力することになった。
  • 今までは会社の中で自分の能力を上げることを優先し、成果を上げることだけを考えてきたが、中堅社員となった今、後進の育成に努めることも考えなければならない。
  • 有名な指揮者のBさんは、演奏活動を精力的に行うだけでなく、中学生や高校生の指導にも取り組み、後進の育成にも努めている。

「後進の育成」:類語

「後進の育成」の類語には、次のようなものがあります。

  • 後輩の育成
  • 弟子の教育
  • 後継者の育成
  • 伝承者の育成

「後進の育成」:英語での表現

「後進の育成」を英語で表現すると、次のようになります。

  • train the young
  • train the younger generation
  • train the next generation

【例文】
  • He made efforts to train the younger generation.(彼は後進の育成に力を注いでいた。)
  • Train the next generation is very important. (後進を育成することは、とても大切なことだ。)

「後進の育成」と「人材の育成」の違い

「後進の育成」に似た言葉に、「人材の育成」があります。どちらも将来を見据えて、役に立つ人物を育てることに変わりはありません。ビジネスのシーンではもちろん、地域社会などでも広く使われる言葉です。

両者の違いは、「後進」と「人材」の違いということになります。「後進の育成」が、年齢や階級などが上のものが、下のものを育て上げる、という意味合いで使われるのに対し、「人材の育成」には上下のニュアンスはほとんどありません。

企業などで人材育成を行うときには、上司や先輩が指導を行う以外にも、外部の講師の指導を受けたり、本やセミナーで自己啓発を促したり、といったやり方がとられることもあります。

「後進の育成」:ポイント

後進の育成のためのポイントとして、ビジネス情報誌などでは次のようなポイントが指摘されています。

  • 上から目線にならない
  • 教える相手(部下など)としっかりコミュニケーションをとり、相手の個性を理解する
  • 教える相手の個性に合った対応を心掛ける
  • 教える相手の成長を促す目標を設定したり、仕事を与えたりする
  • ほめる・叱るは的確なタイミングで行い、とくに叱るときは、感情に任せた一方的な指摘にならないようにする

教える相手を尊重する姿勢と、冷静で公平なバランス感覚が必要とされるようです。


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