「アディオス」とは
「アディオス」とは、スペイン語でさようならを意味する言葉です。スペイン語では「adiós」と表記されます。
別れの挨拶ですが、再会することが分かっている際には用いられません。再会できないことを覚悟するような、長い別れを告げるときに使われる別れの挨拶です。
普段の別れの言葉としても通じますが、本来の意味から発展して「もう会いたくない」というようなニュアンスを感じさせます。そのため、使用する際には注意が必要な言葉です。
- 「アディオス アミーゴ!(友よ、さらば!)」スペインからの留学生、ミゲルは大きく手を振りながら別れの挨拶をしてくれた。
「アディオス」の語源
「アディオス」の語源は、フランス語の「à dieu(アデュー)」であるとされています。フランス語で、「à 」は方向を表す前置詞、「dieu」が「神」という意味です。これを直訳すると、「神のもとへ」といった意味になります。
「à dieu」は中世ヨーロッパの時代に民衆十字軍にいた兵士たちが使っていた言葉です。戦地に赴く兵士たちは「神のもとへ」と言って旅立ち、その多くが帰ってこなかったといいます。語源からひも解くと、「アディオス」が持つ重たい意味を実感できますね。
「アディオス」の類語
前述のとおり、「アディオス」は長い別れを意味する言葉です。そこで、スペイン語における軽い別れの挨拶をいくつかとアディオスに近いニュアンスの挨拶をご紹介します。
「チャオ(ciao)」
「チャオ」は、出会いと別れ、両方の場面で用いることができる言葉です。「やぁ」や「またね」、「じゃあね」というような意味を持ちます。
「チャオ」はフランクな印象を与える言葉です。そのため、ビジネスシーンでは使わずに、親しい間柄の相手に使うことが望ましい挨拶と言えます。
「アスタルエゴ(hasta luego)」
「アスタルエゴ」は、「じゃあね」や「またね」などの意味を持ちます。丁寧な表現なので、目上の人に対する挨拶やお店に行った際の挨拶としても使用される挨拶です。
「クイダテ(cuidate)」
「クイダテ」は、「またね」や「お元気で」という意味の挨拶です。相手の身体を気遣うニュアンスがあり、文書や手紙の末尾につけて使われることがあります。
「アスタマニャーナ(hasta mañana)」
「アスタマニャーナ」は、「また明日」という意味を持ちます。「hasta」には「~まで」という意味、「mañana」には「明日」という意味です。
「アスタプロント(hasta pronto)」
アスタプロントは、「また会おう」という意味があり、「またね」に近いニュアンスを持っています。「pronto」はスペイン語で、「すぐに」という意味です。すぐに会うことが分かっている相手に対して用いるのに適しています。
「アスタラビスタ(hasta la vista)」
アスタラビスタは、「また会う日まで」という意味です。この表現は、「アディオス」のように次にいつ会う機会があるか分からないとうニュアンスを感じさせます。そのため、軽い別れの挨拶としては使われない言葉です。
映画、『ターミネーター2』の終盤のシーンで使用されたのを、覚えている方も多いのではないでしょうか。
「アディオス」の対義語
アディオスの対義語にあたる言葉は、「ムチョグスト」です。スペイン語では「mucho gusto」と表記されます。「はじめまして」という意味を持つ、出会いの挨拶です。