「ロリコン」の意味
現在の意味
「ロリコン」とは、ロリータ・コンプレックスの略語です。成人男性が抱く少女への異常な愛情を意味します。
異常な、というのは恋愛感情や性的欲求を少女に対して抱くという点にあります。同世代の少年が少女に恋をするのはおかしなことではありません。しかし、中年男性が幼い少女に恋をするのは世間的な常識では異常なこととみなされてしまうでしょう。
必ずしも現実の少女が対象とは限らず、漫画やアニメなどの二次元・三次元のキャラクターを対象とすることもあります。
元の意味
「ロリコン」は、昔は今とは異なる意味を持っていました。今でこそ少女を愛する成人男性の気持ちですが、かつては成人男性を愛する少女の気持ちだったのです。関係こそ変わりませんが、真逆ですね。
ジャンルやタグの「ロリコン」
「ロリコン」はジャンルやタグにも使われます。いわゆる「ロリコン」の人向け、ないしはそういった要素を含んだ作品のことを指します。外見が幼い少女や、年齢設定が低い子供が主要な登場人物であるような作品です。
「ロリコン」の定義
先ほど「ロリコン」は少女を愛する中年男性の異常心理という旨をお伝えしました。おそらく、皆さまの中には少女とはいったい何歳までなのだろうか、具体的な定義を教えてほしいと思った方もいらっしゃることでしょう。
ところが、あいにく厳密な定義というものは「ロリコン」には存在しません。というのも「ロリコン」は「オイディプス・コンプレックス」や「ペトフィリア」のような医学用語ではなく、俗語に過ぎないからです。
ここではインターネット上で一般的とされている定義についていくつか取り上げて定義に代えさせていただきます。
年齢
「ロリコン」の定義の多くは年齢で線を引かれています。最も多いのは12歳から16歳くらいまでのローティーンの少女を対象とするというものです。現実の日本でいえば中学生くらいですね。
この場合、より下の年齢層はかつて同人誌などで使われていた「アリス・コンプレックス(アリコン)」や「ハイジ・コンプレックス(ハイコン)」と区別されます。それぞれ『不思議の国のアリス』と『アルプスの少女ハイジ』に由来する名称です。
現在では「アリコン」、「ハイコン」ともに死語となっているので、統合した広義の言葉として「ロリコン」を使用していることもあります。この場合は16歳くらいまでの少女全般が対象になります。
外見・性格
「ロリコン」を年齢ではなく、身体的特徴などの外見と性格で判断するということもあります。特に創作物のキャラクターなどでは年齢を自由に設定できるので、より感覚に合った判断ができるでしょう。
身体的特徴でいえば、例えば顔つき。子供らしい幼さがみられるかどうか。あるいは背の高さや体つき、髪型など。声優が当てられている場合には声も判断基準になりえます。
性格は単独では判断されませんが、条件の一部になることもあります。行動や服のセンスが子供らしいのか、それとも大人びているのかでも印象が変わってくるでしょう。
「ロリコン」の使い方
「ロリコン」は哲学や心理学。文学の領域では必ずしも俗なだけのものではなく、高尚な意味や裏の意味を伴うこともあります。救いや浄化、トラウマなど様々です。
しかし、ライトノベルやアニメなどのサブカルチャーでは、単なる年下好きや少女が好きな変態、変質者といった意味で使われています。普段の会話などで使われる場合も同じように、あざけりや罵りの言葉であることがほとんどです。
使用例
- 女子校で先生をしているというと、みな異口同音に「このロリコンが!」と罵ってくる。これでも子供がいる妻帯者なのだが。
- 干支が一回り違う中学生と交際するなんて、本当、ロリコンだね。
- 今度のイラストは万人受けする内容でもないし、ロリコンのタグをつけておこう。
「ロリコン」の由来
「ロリコン」の由来はウラジーミル・ナボコフというロシア出身の作家が著した『ロリータ』という作品です。初恋の人に似た少女に恋をした教師と、その少女との恋愛や心理が描かれています。
「ロリコン」と精神障害
「ロリコン」は精神障害や精神疾患であるかのように語られることが多いですが、厳密に言えば、「ロリコン」は精神疾患ではありません。正確には「ロリコン」の一部だけが「ペドフィリア」という障害に含まれます。
「ペドフィリア」とは児童を性的に愛する異常心理のことです。複雑な定義がありますが、ごく簡単に言ってしまえば、「5歳以上離れた13歳までの複数の児童に性的な欲求を抱く」ということになります。