「安堵」とは?意味や使い方をご紹介

「安堵(あんど)」という言葉は、日常会話の中でもよく使われます。気持ちがホッとしたときにこの言葉を使って表現しますが、「堵」という見慣れない漢字が含まれていて疑問に思った方もおられるでしょう。では、「安堵」の意味や使い方について、詳しく解説していきます。

目次

  1. 「安堵」の意味と用例
  2. 「安堵」の由来
  3. 「安堵」と「安心」の違い
  4. 「安堵」するとき
  5. そのほかの「安堵」

「安堵」の意味と用例

「安堵」とは「気がかりなことがなくなって、安心すること。ホッとすること。心が落ち着くこと」という意味です。「安堵」を使った例をいくつか挙げてみます。

「両親の顔を見た瞬間、思わず安堵の表情を浮かべた」
「支援物資が少しずつ届き始め、被災地にも安堵の空気が流れた」
「無事に任務を終えて、安堵感が漂った」

以上のような使い方をします。

「安堵」の由来

「安堵」の「堵(と)」には垣やへいという意味があります。他に「堵列(とれつ)」「環堵蕭然(かんとしょうぜん)」といった熟語で使われる漢字です。また、垣の広さの単位としても用いられていました。現在では「安堵」は「安心すること・ホッとすること」の意味で使われていますが、実は意味が行ったり来たりしてきた経緯があります。

「堵」の内に「安」んじる

もともとは古代中国発祥の言葉です。「堵」の内に「安」んじる、つまり垣に囲まれたところに安心して住んでいる状態のことを「安堵」と言いました。転じて「安心すること・ホッとすること」の意味でも使われるようになりました。

「安堵状」で私有地の承認

ところが、日本では特殊な意味が加わります。中世に入ると、土地の私有制と深くかかわる言葉になりました。土地の領有権を保護することで所有者を「安堵」させるというところから、幕府による承認そのものを「安堵」と言うようになりました。また、領有権を保証する内容が書かれた文書を、「安堵状」と呼びます。その後、明治維新後の武家の解体まで続きます。

再び「安堵」は「ホッとすること」へ

明治に入り、土地所有の制度や考え方が変化すると、「安堵」と土地所有権とのかかわりが薄くなっていきます。意味は再び元に戻り、現在のように「安心すること・ホッとすること」が一般的となりました。

「安堵」と「安心」の違い

同じような言葉のイメージを持つ「安堵」と「安心」ですが、違いはあるのでしょうか。

「安堵」はもともと垣に囲まれた場所(家・土地)に居ることによって安心する、ということなので、居場所が保証されることからくる「ホッとする」気持ちのことです。一方の「安心」は「心配がなく心が静かで安らかなこと」という意味なので、心(気持ち)のほうから出発した「ホッとする」状態といえます。

ただ、こうした出発点の違いがあるとはいえ、2つの言葉の意味を説明するとなると大きな違いは見当たりません。「安堵」には継続的な状態に使いにくいという特徴があるくらいで、使い分ける必要がないケースが多いでしょう。

「安堵」するとき

では「安堵」感を感じる瞬間とは、いったいどんなときでしょう。

安堵感を表現する言葉としては「安心」「やすらぎ」「落ち着き」「ホッとする」などがあります。また、具体的にどういった状況でそれらを感じるかというと「切羽詰まった仕事が終わったとき」や「心配事が解決したとき」あるいは「大好きな人と一緒にいるとき」「布団に入ったとき」などが考えられます。

ある研究によると、安堵感は主観的な2種類の状況から感じられるといいます。ひとつは先行する緊張感(仕事・テスト・危険など)からのリバウンドとして感じる「緊張からの解放状況」であり、もうひとつはリラクゼーションによる「やすらぎ状況」なのだそうです。

そのほかの「安堵」

「安堵」は「安心すること・ホッとすること」を意味するだけではなく、地方によっては少し違った意味も含まれます。

奈良県では

奈良県生駒郡には安堵町(あんどちょう)という地名があります。世界文化遺産の法隆寺がある斑鳩町(いかるがちょう)の隣に位置し、人口約7500人(2018年現在)の小さな町です。古くは水上交通の要衝であり、聖徳太子が通ったとされる「太子道(たいしみち)」が残っているなど、歴史を感じさせる町でもあります。

宮崎県では

宮崎県の一部の地方の方言では「あんどした」と言えば「飽き飽きした・嫌になった」ということを意味します。また「飽きるほど食べて満腹になった」というときにも使うようです。


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