「俯瞰」とは?意味や使い方をご紹介

「俯瞰」とは、高いところから見下ろすことです。転じて、ものごとを、一部にとらわれずに全体的に把握する、という意味で使われてもいる言葉です。新入社員が、仕事のイロハとして上司から教わることも多いでしょう。今回は「俯瞰」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「俯瞰」とは?
  2. 「俯瞰」の文字の意味
  3. ビジネスシーンの「俯瞰」
  4. 物理的な「俯瞰」
  5. 「俯瞰」の類語と使い方

「俯瞰」とは?

「俯瞰(ふかん)」とは、直接的には、「高いところから見下ろし、広い範囲を眺望すること」を意味する言葉です。

転じて、ものごとを見る(考える)視点を、狭い範囲にとらわれずに、高い視点から全体を眺め、理解する、という意味でも使われます。

「俯瞰」の文字の意味

「俯瞰」は、漢字の見た目も読み方も、とても難しい言葉です。そうでありながら、とくにビジネスシーンなどでは頻繁に用いられる言葉ですので、しっかりと理解しておくと役に立つでしょう。まずは、この難解な文字がもつ意味から解説します。

「俯」

「俯」は「ふす・うつむく」という意味をもちます。その字の語原は、儀式のさいに顔をうつむけて、占いの結果を詳細に見ることに由来しています。そこから、動作として、顔を下に向けて見ることを意味する漢字となりました。

「瞰」

「瞰」は、「目」と、「目の上に手をかざして眺望する」という漢字が組み合わさった一文字で、「遠くを見る、見下ろす」という意味をもちます。

「俯」「瞰」

「俯」と「瞰」の二文字が合わさって、「俯瞰」は、「高いところから広く下を眺望する」という意味をもつにいたりました。

ビジネスシーンの「俯瞰」

新入社員となったときの研修期間などで、この「俯瞰」を教えられた人は多いかもしれません。それほど、ビジネスにおいて「俯瞰」は大切なものとされています。

仕事をするとき、自分が把握できる一部分の情報と知識で動くほど危険なことはありません。なにごとも全体像というものがあります。個人的な趣味や遊びであれば、自分の好きな部分だけで満足することもできますが、仕事は「全体」を把握して進めていくべきものです。

ビジネスシーンで用いられる「俯瞰」は、目先のことだけ見るのではなく、大局的に全体を把握して理解する、という意味をもっています。

主な使い方

(A課長)

山下君は、目先のことだけ考えて営業しているね。顧客の立場を考えたら、一度に多く売りつけるものではない。もっと俯瞰して、セールスというものを考えなさい。

(B子)

今回の『眼鏡展』でB社を担当しているの。少しでも喜んでもらいたいと奔走していたら、上司から、展示会全体の利益を俯瞰してバランスを考えろ、と叱られてしまったわ。

物理的な「俯瞰」

単純に、下の景色を上から眺める、という意味での俯瞰は、かなり固い表現ですので、会話として登場することは少ないといえます。しかし、文章表現としては、用いられることも多い言葉です。

主な使い方

  • スカイツリーの展望デッキから都内を俯瞰すると、あらためてこの都市の巨大さが迫ってきた。
  • 晴れた日に初めて機上から富士山を真上から俯瞰して、普段とは異なるイメージに驚嘆した。

「俯瞰」の類語と使い方

鳥瞰

鳥瞰(ちょうかん):鳥が空から下を見下ろすように、高所から下を広く眺望すること。転じて、全体を広い視野で観察すること。

「俯瞰」とほぼ同じ意味の「鳥瞰」ですが、こちらも新入社員研修ではお馴染みかもしれません。「鳥の眼と虫の眼を同時に持て」なども、社員教育ではよく使われています。

【使い方】

  • 今回の顧客先とのトラブルは、鳥瞰して考えれば、どこに問題があったのかはわかるだろう?

大局的に見る

大局的に見る:物事を、部分ではなく全体的にとらえて見ること。全体を考慮して物事を考え判断すること。

こちらは「高所から」という点は含まれませんが、全体を見るという点においては同じ意味をもちます。

【使い方】

  • どの道であれ、真のリーダーというものは、物事を大局的にとらえ、細部に躓(つまず)かない人々のことだ。

包括的に見る

包括的に見る:総括的、総合的に物事を見ること。

こちらも「高所」の観点はありませんが、全体を見るという意味では同じです。

【使い方】

  • 今回のプロジェクトは、商品の機能性という一部分ではなく、マーケティングや実際のプロモーション、顧客への販売目標など、包括的で大がかりなプロジェクトだと理解してほしい。


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