「縁は異なもの味なもの」とは?意味や使い方をご紹介

「縁は異なもの味なもの」という言葉があります。日常生活で耳にする機会は少なく、その意味も、雰囲気で何となくとらえている人が多いのではないでしょうか。今回は、「縁は異なもの味なもの」の意味や使い方、類語などをご紹介します。

目次

  1. 「縁は異なもの味なもの」とは
  2. 類語
  3. 英語で表現
  4. 「縁は異なもの味なもの」まとめ

「縁は異なもの味なもの」とは

このことわざは、「男女の結びつきは不思議でおもしろいもの」「男女の縁は不思議なものである」という意味です。略して「縁は異なもの」ともいい、江戸いろはかるたにも登場します。ここでいう「縁」とは、人知を超えて人と人とを結びつける力を指す言葉です。

「縁は異なもの味なもの」の使い方

  • 縁は異なもの味なもの、とはよく言ったもので、彼女は旅先で偶然出会った男性と結婚したよ。
  • 転校した日に隣に座った女子とお付き合いを始めた?縁は異なもの、ってやつだね。

「縁は異なもの味なもの」の誤った使い方

このことわざは、本来、男女の関係について使う言葉です。最近では、一般の結びつきについても用いられることがありますが、異性関係以外について使うのは誤用と言えます。


たとえば、「あのとき私があの店に出向かなければ、今の仕事に就くこともなかったのだから、縁は異なもの味なものだ」というのは正しい用法とは言えません。ちなみに「縁は奇なもの」というのも誤りです。

類語

「縁は異なもの味なもの」の類語としては、「合縁奇縁(愛縁奇縁、相縁奇縁)(あいえんきえん)」、「相性奇縁(あいしょうきえん)」、「縁は味なもの」、「何事も縁」「虫が好く」などが挙げられます。

合縁奇縁・合縁機縁

「合縁奇縁」とは、「人と人の関わりには気心の合う合わないがあるが、それもみな不思議な縁によるものである」という意味です。古くから使われている言葉で、浄瑠璃の演目「心中宵庚申」にも「人には合縁奇縁、血を分けた親子でも仲の悪いが有るもの」と登場します。

上で説明したように、「縁は異なもの味なもの」は男女の仲について用いられます。しかし、「合縁奇縁」は性別を問わず、人と人との縁について使う言葉です。

英語で表現

Marriages are made in heaven.

「縁は異なもの」を英語で表現すると、”Marriages are made in heaven.”となります。直訳すると、「結婚は天国でするもの」、つまりは「天国(神様)が決めたようにぴったりな縁」ということです。 

ちなみに"A match made in heaven" とすると、さらにお似合いの度合いが上がり、「天の思し召し」、「最高のカップル」ということを表します。

Marriage is a lottery.

「縁は異なもの」の英訳としては、”Marriage is a lottery.”もあります。この文章を直訳すると「結婚はくじ引きのようなもの」です。結婚とは、神様がつくったくじを引くような、運次第のものなのかも知れませんね。

Heaven only knows what married couples see in each other.

「合縁奇縁」を英訳すると、"Heaven only knows what married couples see in each other.”となります。「夫婦の結びつきについては、神のみぞ知る」と言ったところでしょうか。洋の東西を問わず、男女の結びつきは不思議な、不可解なものが多いということですね。

「縁は異なもの味なもの」まとめ

「縁は異なもの味なもの」という言葉は、同性同士や人以外の関係にも使ってしまいそうになりますが、基本的には男女の縁について使う言葉であることに注意が必要です。

もっとも、話し相手がうっかりと誤用していたとしても、それをすぐさま指摘するのは、好ましいこととは言えません。「いちいち細かい」「揚げ足を取られた」と悪印象を持たれて、せっかくのご縁を失わないように、注意したいものです。

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