「軽快」とは
「軽快(けいかい)」は、次ような意味を持つ名詞、形容動詞です。
- 動作が軽やかで素早いさま。
- 気分が軽やかで心地が良いさま。
- 病気が良くなること。症状が軽くなること。
現代においては、3の意味で「軽快」を用いる場面は、おもに医療分野になります。医療用語では、「完全に快復したわけではないが、入院時よりも症状が軽くなったので退院に支障はないと判断した」ことを表します。
「軽快」の使い方
1.動作が軽くて素早いさま
「軽快」を、上記の1「動作が軽くて素早いさま」という意味で用いる場合、おもに人や動物などの動作に対して使います。
【使用例】
- 彼女は軽快に自転車を漕いだ。
- 猫は軽快な身のこなしで蝶を追いかけている。
- 自動車が軽快に田舎道を走っていく。
2.気分が軽やかで心地良いさま
「軽快」を、上記の2「気分がか軽やかで心地良いさま」という意味で用いる場合は、音楽やリズム、気分などに対して使います。用例は次のとおりです。
【使用例】
- 軽快な音楽が運動会を盛り上げている。
- どこからか軽快なドラムのリズムが聞こえてきた。
- 久しぶりに雨が上がって軽快な気分だ。
3.病気が良くなること
「軽快する」などのかたちで用いる場合は、上記の3「病気が良くなること」を表しています。
【使用例】
- 彼は手術が成功して軽快した。
- しっかり養生すれば病気も軽快するだろう。
- 彼女は軽快傾向にあるといっても、まだ油断はできない。
派生語「軽快さ」
「軽快さ」という言葉は、上記の1の「動作が軽やか」と2の「気分が軽やか」の意味において、次のように用いられます。「軽快さ」は「軽快」から派生した名詞です。
【使用例】
- 彼女のステップの軽快さに目を奪われた。
- この楽曲は軽快さをもっと際立たせたほうが良いね。
「軽快」の類語:「軽やか」と「軽妙」
「軽快」と同じ「動きが軽く感じられて気持ちの良いさま」というニュアンスを持つ言葉に、「軽やか」と「軽妙」があります。
「軽やか」
「軽やか(かろやか・かるやか)」は、「いかにも軽そうなさま」を表す言葉です。「軽快」の1および2とほぼ同じ意味です。
【使用例】
- 彼女が軽やかな足取りで近づいてきた。
- 子供達の軽やかな歌声が耳を楽しませる。
「軽妙」
「軽妙(けいみょう)」は、「軽やかで、うまみのあること」という意味です。話し方や文章、技などに対して用いる言葉で、それらが「なめらかで滞りなく上手なさま」を表します。
【使用例】
- 軽妙な筆さばき
- 軽妙なタッチの短編小説
- 軽妙なトーク
なお、「軽妙洒脱(けいみょうしゃだつ)」は、「会話や文章などが、軽やかで洗練されていること」を指す言葉。「軽妙洒脱な話術」のように用いられます。
「軽快」の類語:そのほか
1.動作が軽くて素早いさま
- 機敏な
- 小気味良く
- 俊敏な
- フットワークが軽い
- 身動きの軽い
2.気分が軽やかで心地良いさま
- テンポ良く
- 躍動感がある
- リズミカルに
3.病気が良くなること
医療用語の「軽快」と同義ではありませんが、一般的に「病気が良くなること」を言い換える言葉には次のような言葉があります。
- 癒える
- 快復
- 回復する
- 快方に向かう
軽快な乗り物とは
「軽快」+「乗り物の名前」を名称としている乗り物には、次のようなものがあります。
「軽快車」
「軽快車(けいかいしゃ)」は、いわゆるママチャリのことです。シティサイクルに総称される日本の自転車のカテゴリのひとつで、スポーツ用自転車とは別種です。「軽快車」は、移動を主目的として、軽さ・乗りやすさに重点を置いています。
「軽快電車」
「軽快電車(けいかいでんしゃ)」は、「利便性を高めた新しい路面電車のシステム」のことです。低床車両、低騒音・高速化などを実現しています。英語ではライトレールトランジット(light-rail transit:LRT)。
欧米の多くの都市で、都市部の新交通システムとして導入されています。日本で「軽快電車」に該当するのは、広島電鉄宮島線・京福電気鉄道(嵐電)・江ノ島電鉄(江ノ電)など6つの路線です。