「篤志家」とは?意味や使い方をご紹介

「篤志家」という言葉をご存知ですか。新聞などでときどき目にすることがある言葉ですが、すんなり読むことは難しいかもしれません。日常でそれほど使う言葉でもないので、馴染みがないという方も多いでしょう。この記事では、「篤志家」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「篤志家」とは?
  2. 「篤志家」例文
  3. 「篤志家」類語
  4. 「篤志家」英語での表現
  5. 世界の篤志家たち

「篤志家」とは?

「篤志家」は、「とくしか」と読みます。意味は、篤志(とくし)を持っている人のことで、「人の役に立ちたい」という思いから、社会奉仕や慈善事業などを熱心に実行していたり、支援していたりする人たちのことです。

「篤志」とは?

「篤志」は、志が篤(あつ)いことを言います。社会奉仕や慈善事業などに熱心に取り組むことや、その志そのものも指しています。

「篤」は、人情に篤いことや、手厚くまじめに行き届いている状態を表す漢字です。そのため、「実篤(さねあつ)」、「篤(あつし)」、「篤美(あつみ)」などのように、人名に使われていることもあります。

「篤志家」例文

  • この公園は、戦後、荒れ果てた故郷のようすを憂えた篤志家たちによって造られた。
  • 地震によって倒壊してしまった施設が、篤志家たちの寄付によって再建された。
  • 彼は、高校時代の成績は優秀だったのに、家庭環境が複雑で大学には進学できないと思われていた。だが、ある篤志家の援助によって医者になるという夢をかなえることができた。
  • あの会社社長は、災害支援に多額の寄付をしていたが、実は単なる売名行為だったようだ。そんな人は、真の篤志家とは言えないのではないだろうか。

「篤志家」類語

慈善家

「慈善家(じぜんか)」とは、進んで慈善を施す人のことです。「慈善」とは、他人のことをかわいそうだと思ったり、恵まれない人たちに経済的や物理的な援助をしたりすることです。

博愛主義者

「博愛主義者(はくあいしゅぎしゃ)」とは、人間はその置かれている立場を超えて、平等に、広く愛情をもって愛し合い、助け合うべきだと考える人たちのことです。「博愛」とは、すべての人を同じように平等に愛することです。

愛他主義者

「愛他主義者(あいたしゅぎしゃ)」とは、自分は二の次になっても、他人の幸福を先に考える人たちのことです。愛他主義は、利他主義と同じ意味で使われる言葉です。

ボランティア

「ボランティア」は、自発的に、また無償で、他人や社会に奉仕しようとする人や、その行動のことを指します。「志願者」や「有志者」「義勇兵」を意味する英語の「volunteer(ボランティア)」から来ています。

「篤志家」英語での表現

「篤志家」を英語で表すと、次のようになります。

  • a philanthropist(慈善事業家、フィランソロピスト)
  • a supporter(支援者、後援者、サポーター)
  • a charitable person(慈善事業家、社会福祉家)
  • a benevolent person(慈善事業家、善意の人、博愛の人)
  • a voluntary helper(自発的に援助をする人)

世界の篤志家たち

マザー・テレサ

マザー・テレサ(Mother Teresa、1910~1997)は、カトリック教会の修道女です。カルカッタ(現在のコルカタ)で、貧しい子どもたちに無償で勉強を教えたり、「死を待つ人々の家」という名のホスピスを作ったりしました。

1979年にはノーベル平和賞を受賞しましたが、賞金はすべてカルカッタの貧しい人たちのために使われました。1997年、マザー・テレサが亡くなったときには、インド政府による国葬が行われました。

ロバート・F・スミス

ロバート・F・スミス(Robert F. Smith、1962~)は、アメリカの大富豪です。投資会社の創業者で、個人資産は約50億ドル(約5500億円)と言われています。

2019年、彼は、アメリカジョージア州アトランタのモアハウス・カレッジの卒業式に、名誉博士号を受けるために出席していました。その卒業式であいさつをしたときに、卒業する全員(約400人)の学費ローンを全額、肩代わりすることを申し出ました。

肩代わりする学生ローンは、少なくとも総額で1000万ドル(約11億円)は超えると見られています。この申し出に、学生たちは驚くと同時に歓声を上げて拍手し、中には泣き出す人もいたそうです。


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