「テレホマン」とは
「テレホマン」の意味
「テレホマン」とは、2ちゃんねる(現・5ch.)におけるキャラクター。このキャラクターは、「テレホーダイ」というサービスを利用してパソコン通信やインターネット接続を行うネットユーザを表現したもので、アスキーアート(AA)も作られていました。
ネット黎明期の救世主、テレホマン参上!#平成ネット史 pic.twitter.com/MrlnA97E98
— tilt@マジカルミライ大阪&京都四條南座超歌舞伎参戦予定 (@tilt_arakawa) January 2, 2019
「テレホマン」の使い方
「テレホマン」は今となっては懐かしい言葉なので、使い方も次のようなものです。
- テレホマン、懐かしいな。
- テレホマンってまだ健在だったの?
「テレホマン」と「テレホーダイ」
「テレホーダイ」とは
「テレホマン」が利用する「テレホーダイ」とは、NTT東日本、NTT西日本が提供するサービスの一つ。23時〜翌8時の間、予め指定した2つの電話番号への通話や通信料金が定額で利用できるサービスです。
「テレホーダイ」は、「テレフォン」+「かけ放題」に由来する名称です。1995年から導入開始され、2019年8月時点でも運用されています。下の引用は、NTT東日本のテレホーダイの説明ページです。
月々定額料をお支払いいただくことにより、夜11時から翌朝8時に限りあらかじめお客さまにお選びいただいた特定電話番号への通話/通信料金が定額でご利用いただける月極の通話/通信料金割引サービスです。
ダイヤルアップ接続は電話代との戦い
まだインターネットが無くパソコン通信をしていた時代や、続くインターネット黎明期において、パソコンをネットに接続する方法は「ダイヤルアップ接続」でした。
ダイヤルアップ接続では、ネット接続中は自宅のパソコンとアクセスポイントが通話状態となります。
ネット接続時間=通話時間ですから、毎日何時間もネット接続してしまうと、電話代の請求額がとんでもない額になりました。
「みかか」からの恐怖のラブレター
ネットユーザはNTTからの電話代請求に恐怖し、「今月は繋ぎ過ぎでみかかが怖い」などと言っていました。「みかか」は「NTT」のことです。
これは、パソコンのキーボードのカナ入力モードで「NTT」と打つと「みかか」となることに由来します。NTTからの請求書のことは「みかかからのラブレター」などと呼んでいました。
「テレホマン」の誕生
現在では、インターネットの常時接続や定額利用はごく一般的になっています。しかし、以前はこのようなインターネット環境も通信サービスもありませんでした。
ですから、時間が限定されているとはいえ、アクセスポイントの電話番号を指定しておけば定額で利用できるサービス「テレホーダイ」の登場は画期的だったのです。かくして「テレホーダイ」はネットユーザの常識となり、「テレホマン」が誕生します。
ネットユーザは夜更かし
「テレホーダイ」は、23時〜翌8時に適用されるサービスなので、この時間帯が「テレホマン」の活動時間です。
今でこそ時間帯を意識せずにインターネットを利用できますが、この頃のインターネットユーザは深夜に活動していました。
ネット利用の目的
ダイヤルアップの回線速度はわずか56kbps。スマートフォンのモバイル回線を使いすぎて通信制限がかかった場合、大手の通信会社における速度は128kbpsですから、動画鑑賞にも難儀する通信の速度であることをイメージしていただけるでしょう。
この回線速度でネットユーザが何をしていたかというと、チャット、プログラムや原稿のファイル転送、自分の趣味を活かしたホームーページを作る、掲示板(BBS)やニュースグループでの情報交換などでした。
むかしむかし、まだテレホマンが活躍していた頃。締切前日の深夜にデータ原稿完成。バックアップも取る暇なく印刷所の鯖にアップロード開始(ガチで数時間かかる)アップロード中に日付が変わり、時限式ウィルス発動。吹っ飛ぶPC。吹っ飛ぶ原稿。サルベージ失敗。新刊出せず。#同人しくじり先生
— つくし さなり (@sanarium) January 10, 2019
「テレホマン」は健在
2001年頃、ADSLが登場してダイヤルアップ接続が廃れ始めます。また、インターネットプロバイダもアクセスポイントの電話番号を「テレホーダイ」対象外の番号に変更するなどの動きも手伝って、「テレホーダイ」利用者は徐々に減っていきました。
現在では、光回線によるインターネット接続が主流です。ADSLも、NTTは光回線エリアに限り2023年1月末、ソフトバンクは2024年3月末にサービス終了することがアナウンスされています。
そんな中、「テレホーダイ」はまだ現役のサービスですから、少数ながらも「テレホマン」は健在。また、ネット接続ではなく、通常の電話通話を行う利用者にとっても「テレホーダイ」はありがたいサービスなのです。
「テレホーダイ」に関連する言葉
「テレホマン」以外にも、「テレホーダイ」に関連する言葉には次のようなものがあります。「テレホーダイ」がネットユーザにどれだけ重宝されていたかが窺えますね。
【関連語】
- テレホ:「テレホーダイ」の略。
- テレホタイム:「テレホーダイ」が適用される時間帯。
- テレホ現象:「テレホーダイ」の開始時間の23時になるとアクセスポイントへのダイヤルアップ接続が集中するため、ネットが重くなったり、アクセスポイントに接続しにくい(話し中)になる現象。
- テレホマンフライングアタック:テレホ現象を嫌い、23時の数分前から正規の電話料金を支払って、アクセスポイントとの接続状態を確保すること。