「絵面」の読み方
「絵面」は二通りの読み方があり、読み方によって意味がやや異なります。
- 「えづら」:情景や絵、写真、映像など。または、それらから受ける印象。視覚的な趣き。
- 「えめん」:絵。絵画。絵図。
もともとの読み方は「えめん」ですが、現代においては「えづら」と読まれることがほとんどのようです。それぞれの意味について、後述します。
「絵面(えづら)」とは
「絵面(えづら)」の意味
「えづら」と読む「絵面」は、「目の前の情景、または絵・写真・映像など」あるいは「情景や絵などから受ける印象・視覚的な印象や趣き」といった意味です。「絵づら」と表記されることもあります。
「絵面(えづら)」の由来
「絵面(えづら)」は、辞書に掲載されていない場合もあり、近年使われるようになった読み方、意味のようです。
追って詳述しますが、「字面」には、文字のかたちや並び具合、あるいはそれらから受ける印象という意味があります。
文字や文字から受ける印象に対して、絵や絵から受ける印象を言い表すために「絵面」が使われるようになったのかもしれません。
「絵面(えづら)」の使い方①「絵・写真・映像」
「絵面」はSNSなどでは、単なる「絵・写真・映像」といった意味で用いられる場面が散見されます。意味としては「絵面(えめん)」と同じですが、声に出して読む場合には「えづら」と読まれることがほとんどのようです。
【使用例】
- 同じ絵面:「同じ構図の絵」「似たような写真」の意。
- 絵面を撮る:「写真・スクリーンショットを撮る」の意。
絵面だけでも涼しく(笑)
— Hiro (@12751Hiro) July 29, 2019
神宮五十鈴川御手洗場 pic.twitter.com/rNDH6GtW4b
「絵面(えづら)」の使い方②「視覚的な印象」
「絵面(えづら)」は絵や画像、映像など、パッと見たときの印象を評する場合に、次のような言い回しで用いられます。
【使用例】
- 絵面が面白い:「一目見て笑える」、あるいは「視覚的な印象が興味深い」とう意味。
- 絵面は合格点:ドラマの予告編や映画のポスターを見たときなど、内容はまだわからないが「見た目の印象は良い」「映像や画像が良いので中身にも期待できそうだ」という場合に用いる。
- 絵面がすごい:迫力のある映像、美しい画像などに対しての称賛の意。
- 絵面が強い:「見た目のインパクトが強い」という意味。
- 絵面がひどい:「見た目の印象が悪い・汚らしい」などの意味。自分が写った写真、または自分が描いた絵などに対して、自虐的に使われることもある。
- 絵面がやばい:「やばい」がポジティブなニュアンスならば「絵面がすごい」に近い意味。ネガティブなニュアンスならば「絵面がひどい」のような意味。
わい「盲腸の手術ってどんな感じなん?」
— いぬです (@seiran106) July 25, 2019
母上「ちょっとお腹切ってぴょろっと腸出してひょって取るだけだよ😊」
わい「かわいく言っても絵面がグロい」
「絵面(えめん)」とは
「絵面(えめん)」の意味
「えめん」と読む場合、「絵面」は「絵・絵画・絵図」という意味です。ほとんど使われない読み方ですが、歌舞伎において「絵面の見得」という言葉があります。
「絵面の見得」
「絵面の見得(えめんのみえ)」とは、歌舞伎の見得の一つ。二名以上の演者が動きを止めてポーズをとり、舞台全体を一枚の絵のように見せる演出手法です。
とくに、時代物の幕切れのように、大勢の登場人物が対立した位置取りで、見得を切ることを指します。
「字面」とは
「字面」の意味
「字面」の使い方
上でご説明した「字面」の意味のうち、3は活版印刷で用いられる言葉です。日常的に用いられるのは1と2の意味で、次のように用いられます。
- 作文を書くときは字面にも気を配りましょう。
- 字面だけを読まず、文章の裏にある意味を良く考えなさい。