「魂」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「魂」の存在を感じることがあるでしょうか。目に見えない存在だけに、実際には難しいかもしれません。でもこの記事を読むと、「ああ、あれがそうだったのか」と身近に感じるかもしれません。記事の中では「魂」の意味と言葉の使い方、類義語について説明しています。

目次

  1. 「魂」の意味
  2. 「魂」と類義語「心」(ふたつの語の使い方)
  3. 「魂」と類義語「命」(ふたつの語の使い方)
  4. 「魂」と類義語「気力」(ふたつの語の使い方)
  5. 「魂」と類義語「精神」(ふたつの語の使い方)
  6. 「魂」と類義語「霊」(ふたつの語の使い方)
  7. 「魂」の成り立ちとは
  8. 「魂」の英語表現

「魂」の意味

「魂」の意味

漢字の「魂」は、「こん」と音読みし、「たましい」と訓読みします。この「魂」とは、空気のように目に見えない存在です。しかし、「魂」は古来、生物に宿り、その働きを助け、機能させるものと考えられてきました

「魂」とは

「魂」が何者か、現代の科学では、まだ説明しきれません。目に見えない存在をどのように説明したらいいものか、いまひとつ捉えきれていないからです。しかし、以下に述べる同義語と似たようなものであろうと、一般的には考えられています。

「魂」と類義語「心」(ふたつの語の使い方)

「心」とは、物質世界の肉体から独立した現象として、人間の内側にあるものだと考えられています。目に見えず、「これがそうだ」と言い切ることができないにもかかわらず、その状態を指して「心ときめく」と言い、「心が穏やかだ」「心が落ち着く」などと言い表します。

「心」の故事成語では、「心頭滅却すれば火もまた涼し」(しんとうめっきゃくすればひもまたすずし)が有名ですが、「心頭」とは「心の中の状態」、すなわち考え方のことで、「滅却」は「消し去る」ことです。

「心の中」であれこれ考えることをやめてしまえば、苦痛さえ消し去ることができるのだ、と仏者は言います。つまり、肉体は「心」の支配下にあるのだと言っています。


【使い方】

  • 言葉にはが宿ります。そして言葉は人を変え、人を支えます。
  • 言葉にはが宿ります。そして言葉は人を変え、人を支えます。

「魂」と類義語「命」(ふたつの語の使い方)

「命」とは、生物が生きていくために与えられた力のことで、生命の根源となるものです。生物の核となるものだけに、人間は、本能では「命」の大切さを知っています。しかし、普段は見過ごしにしているだけに、これを失う日の危機感は想像を絶するものとなります。

仏教の世界では、出来上がった墓や仏具を使用する前に僧侶が読経して、「魂入れ(こんいれ)」と呼ぶ「命」を吹き込む儀式を行います。

【使い方】

  • 楽器に命を吹き込む人を称して「名演奏家」と呼ぶそうです。
  • 楽器に魂を吹き込む人を称して「名演奏家」と呼ぶそうです。

「魂」と類義語「気力」(ふたつの語の使い方)

「気力」とは、「元気の源(みなもと)」であり、「生きるための力」「張り合い」「粘り強さ」を表す言葉で、バイタリティやエネルギーといった心の状態を表します。

意欲ある、気持ちの充実した状態を指して「気力が漲る(みなぎる)」と言いますが、その対象は人間に限りません。

「うちの犬」を指して「最近、どうも気力がない」と言い、「今年のひまわり」に対しては「気力に満ち溢れている」と言って、そのエネルギーの低迷や充実ぶりを表現します。


【使い方】

  • 気力を振り絞って歌う晩年のライブ映像を観て、昨夜は感動で寝付けなかった
  • 魂を振り絞って歌う晩年のライブ映像を見て、昨夜は感動で寝付けなかった。

「魂」と類義語「精神」(ふたつの語の使い方)

「精神」とは、人間の内にあって落ち着かず、多様な状態で常に変化している実態です。昔から、人間はこの動きを〈安定〉〈不安定〉と呼び、不安定な動きを改善する努力を試みてきました。

その努力のことを〈鍛える〉と言います。精神の不安定な状態とは、心が安らかでなく、気持ちが落ち着かないことです。これを少しでも安定させ穏やかにするために、古来、日本人は武道に励み、芸事に集中し、また座禅を組むなどして克服してきました。

しかし、長きに渡り重要視されてきた「精神」の実態は、未だ解明されたとは言えません。その点で「魂」と通ずるところがあり、以下のように言い換え可能な場合があります。

【使い方】

  • 不屈の精神で挑んだ日本画の傑作が、いま上野の森によみがえる。
  • 不屈の魂で挑んだ日本画の傑作が、いま上野の森によみがえる。

「魂」と類義語「霊」(ふたつの語の使い方)

「霊(れい)」とは、人間だけでなく、肉体を持つすべての物質的な生物に宿り、個体と共に生き、生きる力を与えている実態だと言われています。また、肉体の死後、個体から離れたのちも、さらに独立して活動を続けていくことのできる生命体だと考えられています。

「霊」と「魂」とを合わせて「霊魂」(れいこん)と呼ぶことからも知られるように、両者は一対のもの、あるいは同一の現象として語られることが多々あります。

しかし、これを科学的な実態として語る人が少ないだけに、神格化されている、あるいは「物の怪」のひとつとして見られている節もあります。


【使い方】

  • 太宰府天満宮は、学問の神様・菅原道真(すがわらのみちざね)の霊を祭る神社である。
  • 太宰府天満宮は、学問の神様・菅原道真(すがわらのみちざね)の魂を祭る神社である。

「魂」の成り立ちとは

漢字「魂」の左の語「云」は、象形的には「雲のように見える煙やほこりのこと」を表します。「ム」は「微細なものが地面から沸き立つ様子」、「ニ」は「雲が空を駆ける様子」のふたつの状態を併せ持っています。

「魂」のもうひとつの漢字「鬼」は、中国では「死者の象徴」として「亡霊」の意味を持ちます。

地面から現れた「鬼=亡霊」がムクムクと上昇して空へと向かう様子と「云=雲」とが引き合わされて「魂」となりました。

「魂」の英語表現

「soul」(ソウル)

「魂」と同じ意味を持つ英語では、「soul」がそのひとつです。「soul」は、カタカナで「ソウル」と書きます。

「ソウル」は日本でも馴染みが深く、アメリカの黒人音楽を好んで聴く人たちにとっての「soul」は、「魂の叫び」「魂の歌(霊歌)」として親しまれています。


【例文】

  • I'm fond of listening to soul music.(私はソウルミュージックを聴くのが好きだ)

「spirits」(スピリッツ)

英語の「spirit」は、日本では多くの場合「精神」の意味で使われます。カタカナで書く「スピリット」のことですが、英語の「spirit」の中には「精神」だけではなく「魂」の持つ霊的な意味も含まれています。

英語圏には、もうひとつ「spiritual」があります。こちらは漢字「魂」に、より意味が近く、カタカナで「スピリチュアル」と表された日本語としてしてよく使われています


【例文】

  • the frontier spirit.(開拓者精神)
  • there is indeed something spiritual in this place.(ここではスピリチュアルな存在を感じる)

「ghost」(ゴースト)

「ghost」は、カタカナで「ゴースト」と書きます。日本では、「怨霊(おんりょう)」「幽霊」などと訳されているために敬遠されがちですが、キリスト教で「the Holy Ghost」と呼ぶ「魂」は「聖霊」と訳されて、物質世界の人間に神の恩沢を施す存在です。

【例文】

  • God the Father, the Son and the Holy Ghost.(父なる神、子であるイエス・キリスト、そして聖霊を合わせた三位一体)


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