「ケセラセラ」とは
「ケセラセラ」の意味
「ケセラセラ」は、「なるようになるさ」という意味のスペイン語「que será, será」であるとされていますが、スペイン語ではこのようなフレーズは用いられないので、英語圏で用いられる擬似スペイン語と考えられています。
誤解されがちですが、「ケセラセラ」はいい加減に生きるということではありません。不安や心配事で心をいっぱいにせず、肩の力を抜いて自然の流れに身を任せる余裕を持ちましょうということです。
「ケセラセラ」の由来
「ケセラセラ」の由来は、同名の楽曲『ケ・セラ・セラ(que será, será)』です。この楽曲は、1956年、アルフレッド・ヒッチコック監督による映画『知り過ぎていた男(原題:The Man Who Knew Too Much)』の主題歌で、主演女優のドリス・デイが歌い、第29回アカデミー賞歌唱曲賞を受賞しました。
さまざまな表記がありますが、英語の副題「whatever will be(なるようになる)」を併記した「Que Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be)」が用いられることが多いようです。
「ケセラセラ」の使い方
「ケセラセラ」は、「やるだけのことはやったんだ。あとはケセラセラだよ」のように、先のことを気にしても仕方ないという場面で使われる表現です。
また、前向きに行こうよというニュアンスで「ケセラセラ、心配するなよ」のように使うこともあります。
さらに、「力を抜いてケセラセラな生き方をしたい」と形容動詞としても使われます。
「ケセラセラ」と似たフレーズ
「明日は明日の風が吹く」
「明日は明日の風が吹く」とは、映画『風と共に去りぬ(原題:Gone with the wind)』の中のセリフ「Tomorrow is another day.」の日本語訳です。
映画の中では、苦境に立たされたヒロインが「私には故郷がある。明日はまた別の日であるはずよ」と、物事が良い方向へと向かうという希望を込めて話しています。「ケセラセラ」に近い言葉と言えるでしょう。
「C'est la vie.」
「C'est la vie.(セ・ラ・ヴィ/セ・ラヴィ/セラビ)」はフランス人がよく用いる慣用句で、「これが人生だ」「人生ってこんなものさ」「仕方ない」といった意味です。
主に、諦めたり、悲しかったりする場面で用いられる言葉ですが、気持ちに区切りをつけて次に向かうための言葉と解釈するなら、「ケセラセラ」に似た言葉と考えられます。
「なんくるないさ」
ドラマで有名になった琉球方言の「なんくるないさ」は、「なんとかなるさ」という意味ですが、楽観的な見通しというニュアンスではありません。
「挫けずに努力していれば、いつか良い日がやってくるよ」という教訓を含む言葉です。楽観的に行こうという「ケセラセラ」とはニュアンスが異なります。
「Let it go[be].」
「Let it go.」は、映画『アナと雪の女王』でもおなじみのフレーズ。また、「Let it be.」はビートルズの楽曲としても有名ですね。
「Let ○○ go.」は「○○を行きたいように行かせる」というニュアンス。「何もしない・放っておく」「諦める・忘れる」「売る」という意味です。
また、「Let ○○ be.」は「○○をあるがままにしておく」というニュアンスなので、「放っておけ・そのままにしておけ・なすがままに」ということを指します。
「Let it go[be].」は、現状に着目して、「今あるものをなすがまま[あるがまま]にさせること」を表します。一方、「ケセラセラ」は未来に着目しているので、着眼点が異なる言葉と言えるでしょう。