「流行」とは?意味や使い方をご紹介

一口に「流行」といっても、その言葉が持つニュアンスや使われ方はさまざまです。多くの人に歓迎される流行もあれば、だれからも歓迎されない流行もあります。ここでは、そんな「流行」という言葉がもつ意味について具体例をまじえながら詳しく解説していきます。

目次

  1. 「流行」の意味とは?
  2. 「不易と流行」って何?
  3. 「流行」が生まれる仕組みとは?
  4. 「流行」の種類とは?

「流行」の意味とは?

「流行」とは、ある「もの」や「現象」が一時的に多くのひとびとに伝わって広く盛んに行われることを言います。ここでポイントとなるのが「一時的に」という部分です。

なぜならば、「一時的に」ではなく「恒常的に」行われていることは、流行しているとはいわないからです。その場合は、定番やスタンダードなど別の言葉を用いて表現します。

また、流行するものや事柄のジャンルも、時代や地域によって実にさまざまです。ファッションや髪型は言うに及ばず、食べ物や玩具、言葉にいたるまで数えられないほど存在します。

中にはインフルエンザ(流行性感冒)のように、歓迎されざるものも流行するものに含まれます。

「流行」の類義語

流行の類義語として挙げられるのが、以下の言葉です。

  • 風潮
  • 潮流
  • 趨勢
  • トレンド(trend)
  • ファッション(fashion)
  • ブーム(boom)
  • カレント(current)
  • ヴォーグ(vogue)

ここで興味深いのは、currentという英単語が元来は水や空気の「流れ」を意味しているところです。これは日本語の流行や潮流という言葉と通じる部分があります。英語圏に住んでいる人々も流行を「時代の流れ」だという風にとらえているのでしょうか。

また、最後に挙げた"vogue"は、雑誌の名前として認識している人も多いのではないでしょうか。

「流行」の対義語

流行の対義語は「廃り(すたり)」です。廃りは、動詞の「廃る」が名詞化したものだと考えられます。廃るは「廃れる」と同義だと考えてよいでしょう。

廃りは、「不用になること」や「時代遅れになること」を表します。そして、流行と同義の「流行り」とともに「流行り廃り」という言葉でも用いられます。

「不易と流行」って何?

「流行」とともに用いられることの多い言葉に「不易(ふえき)」というものがあります。不易とは、いつまでも変わることのない物事の本質な部分を表す言葉です。

これは、俳人として有名な松尾芭蕉が、その教えの一つとして弟子たちに遺したものだとされています。俳句にはけっして変わることのない大切な基礎・基本がある一方で、そのときどきの流行を取り入れていかなければ発展は望めません。

「不易と流行」といえば、少々古めかしくて堅苦しい言葉に聞こえるかもしれません。しかし、これを「スタンダードとトレンド」と言い換えれば現代にも十分通用する考えなのではないでしょうか。

「不易と流行」の一例

「不易と流行」は、音楽やファッションの世界に数多く見られます。その一例をここで確認しておきましょう。

たとえば、音楽の世界で「不易」とは「クラシック音楽」に他なりません。その普遍性は時代を超えてもけっして揺らぐことなく、その価値を保ち続けています。

一方で「流行」は、いわゆるJ-POPやK-POPなどがそれにあたるのではないでしょうか。「今」という時代の人々に広く支持を受けている一方で、普遍的なものになるにはまだ歴史が始まったばかりとも言えます。

「流行」が生まれる仕組みとは?

「流行」には、自然発生的なものと人為的に生みだされたものの二種類があります。しかしながら、現代の流行の大半は人の手によって生み出されたものだという見方が大勢を占めます。

中でも、アパレル業界ではその年の流行が二年前から仕込まれたものであるということは半ば常識です。

この場合、まず流行色の選定が行われた後に生地の製作がなされます。そして、各メーカーやブランドがその生地を基に服をデザインしていきます。その後は試作品の作成を経て、各種メディアによる宣伝活動が行われる流れが一般的です。

このようにして、企業主導による流行が作られた後は、有名人やトップブロガーによるSNS配信やテレビや雑誌の特集を介して一般の人々に広まっていきます。

「流行」の種類とは?

流行は、その後の経過がどうなったかによって以下の三種類に分類することができます。

  • 衰滅型:その後定着することなく消えていく一過性のもの。
  • 循環型:一定のサイクルで流行と衰退を繰り返すもの。
  • 一般化型:その社会に定着し、文化にまで発展したもの。

衰滅型はテクノロジーの進化などで不用になってしまったものに多く見られます。たとえば、ガラケー時代に流行ったアンテナの飾りなどは、その最たるものでしょう。

循環型は、いわゆるファッションやヘアースタイルなどで見られるタイプです。すその広いズボンは「パンタロン」や「ベルボトム」として1960~1970年に爆発的にヒットしました。

その後、平成後期~令和時代になって再び「ワイドパンツ」として流行しています。両者はまったく同じものではありませんが、その特徴は循環的にヒットしているといえるでしょう。

最後の一般化型は、ジーンズがこれに該当します。ここまで全世界的に愛用している人が増えると、これはもう「不易」といってもいいのかもしれません。

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