「顕著」の意味
「顕著」は「けんちょ」と読みます。「顕」の音読みは「あらわ」で、「秘密が顕になる」といった使い方をします。同様に「顕著」の「著」は、「著しい(いちじるしい)」と読み、「目立ってはっきりしているさま」を表すときに使います。
すでにお気づきかと思いますが、同義の文字を重ねて使っていますよね。つまり、それだけ強調した表現ということで「際立って目につくさま」を意味するのが「顕著」という言葉です。誰の目から見てもはっきりとしている様子を表現するときに使います。
「顕著」の使い方
「顕著」は、誰がどう見てもはっきりしている様子を表すので、数字が示されている場合や、見た目にはっきりとわかる結果が出ているときに使われることが多いといえます。たとえば、ある女性が食事制限によるダイエットに成功した場合、「彼女の食生活改善が体重減少に役立ったのは顕著だ」といった表現になります。
また、「顕著な~」といった具合に、形容詞として使われることもあります。たとえば、「昨年はヒット商品があったため、A社の業績に顕著な伸びが見られた」といった使い方です。ほかにも、「この薬の効能が顕著に表れている」「トレーニングを強化した結果、成績に顕著な成長が見られた」といった使い方があります。
「顕著」の類義語
「顕著」に非常によく似た意味合いの言葉で「如実」、「明白」、「明瞭」、「歴然」といった言葉があります。それぞれに意味と例文を見ていきましょう。
「如実」は、「事実のとおり」「ありのまま」であることを意味します。
例:「その一枚の写真は、台風が去ったあとの甚大な被害の爪痕を如実に物語っている」
「明白」は「疑う余地がないこと」を意味します。
例:「彼がその場所にいたのは明白な事実だ」「グラスに指紋が残っていたことで彼が犯人というのは明白だ」
「明瞭」は、「事柄がはっきりしているさま」を表します。
例:「テスト用紙に自分の氏名を明瞭に書く」
「歴然」は「結果や過程がはっきりとしているさま」を表します。
例:クマが鹿を襲った痕跡が歴然としている」
微妙な意味の違いを理解して、正しい使い方をしましょう。
「顕著」の対義語
では、「顕著」の対義語にはどういった言葉があるでしょう?それは「隠微」(いんび)で、「表面に現れず、わかりにくいこと」「かすかで目立たないさま」といったことを表します。
例:「部長が書類を破棄したのには、隠微な事情があるようだ」
使う場面が少ないのか、あまり馴染みのない言葉ですが、覚えておいて損はありません。
「顕著」を英語で表す
「顕著」を英語で表すとしたら、どんな単語になるでしょうか。主に以下の2つがあげられます。
・remarkable「驚くべき」「目立って」
例:As a result of having lengthened learning time,remarkable growth was seen in results.(学習時間を長くした結果、成績に顕著な成長が見られた)
ちなみに、「非凡な」という意味もあるので、以下のような使い方もします。
You are remarkable!
(あなたは偉い!)
・conspicuosly「著しく」「目立って」
例:The effect of this supplement appears conspicuously.(このサプリメントの効能が顕著に表れている)
英語は、単語ひとつでいろいろな意味を持っていることが多いので、都度、ご自身で調べて、最適な表現を心がけましょう。