「感服」とは?意味や使い方をご紹介

大河ドラマや時代劇などで、「感服いたしました!!」というシーンをご覧になったことがあろうことか思います。日常会話でも、相手に対し使う場面も存在します。今回は、「感服」という言葉の意味を理解し、使い分けができる知識を学んでいきましょう。

目次

  1. 「感服」の意味
  2. 「感心」の意味
  3. 「感服」と「感心」の使い方
  4. 「感服」と「敬服」の違い
  5. 「感服」まとめ

「感服」の意味

「人の行った行為や技術になどに深く感心して、尊敬・尊重の気持ちを抱くこと。」という意味です。友人や知人、上司、同僚など、様々な人々と私たちは関わりながら、人生を歩んでいきます。その中で必ず、誰かの影響を受けて成長しながら生きてきているはずです。

その人の行動や技術に影響を受けた際に、「感服」しました。と心が動かされるわけですが、日本語には、様々な同義語が存在します。その中でも「感服」の意味の中にもあるように「感心」という言葉は非常に似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。

「感心」の意味

①「立派な行為や、優れた技量に心を動かされること」とあります。ご覧いただいたように、前述の「感服」と非常に似た意味になります。

②「驚きあきれること」、という意味もあります。①の意味で使う場合にはそれほど大きな違いは見当たりませんので、通常の使われ方から違いについて考えてみましょう。

「感服」と「感心」の使い方

目上の人に?そうでない人に?

まず、「感服」は、「人の行った行為や技術」に対して心が動かされるということで、さらに、その行為を行った人に対して、「尊敬」などの気持ちを持つとありますので、目上の人にも、そうでない人にも使うことができます。

「感心」の場合は、②の「あきれる」という意味もあります。「あきれる」という意味で相手に対して「感心」を使う場合は、皮肉を込めて「君の無頓着ぶりには感心したよ」「あなたの部屋の汚さには関心したね」などと使用し、「感心」の対象となる人は、同等の立場の人、もしくは、目下の人になります。(もちろん目上の人にも対面でなければ使うこともあるかと思いますが)

ですから、①の意味で「感心」を使用した場合にも、「上から評価を下す」または、「馬鹿にしている」というニュアンスが含まれてしまう可能性があるので、目上の人には使わない方が望ましいと言えます。

「感服」は目上に対してもOK!「感心」は目下からはNG

このように、意味が非常に似ている『感服』も『感心』も使われ方で相手に伝わる意味が変わってきます。もし上司に次のように使ったとしてみましょう。

○「いやぁ、部長の営業力に、感服いたしました!」
×「いやぁ、部長の営業力に、感心しましたよ!」

いかがでしょうか。もし皆さんが部長さんでしたら、どちらの褒められ方が気持ちいいでしょうか?やはり、「感服」を使った方が褒められた感じがしますよね。一方で、「感心」を使った褒められ方は、下手をすると、「感心」の意味である②「驚き呆れる」に捉えられかねません。また、そうでなかったとしても、部下からの「評価」の対象、つまり、目下に見られているというニュアンスは拭いきれないため、不快に感じることがあるかもしれません。

ですから、目上の方の行動や技術を褒める場合には、「感服」を使用する方が望ましいということになります。

「感服」と「敬服」の違い

ここまでは、後ろ一字違いの「感服」と「感心」の違いについて説明しましたが、次は、前一字違いの「感服」と「敬服」の違いについて説明します。
 

「敬服」の意味

「敬服」の意味は、「尊敬の念を抱いて、従うことや感心すること」とあります。やはり、「感服」と非常に似ている意味なので、漢字に着目して違いをみましょう。
 

「感」と「敬」の意味

「感」は、「心が動く」という意味です。「敬」は、「敬う」や「尊敬する」という意味です。 漢字に着目してみると、違いが見えてきましたね。さらに、この漢字の意味を考えながら使い方に着目してみましょう。

「感服」と「敬服」の使い方

漢字の意味を考えてみますと使うべき対象が見えてきました。さらに、「心が動く」ということで、「感服」は目上の人もしくは、そうでない人にも使われてもおかしくないことがわかります。しかし、「敬う」と言うと、目上の人の方が多いですよね。目下の人に対して「敬う」ということはそれほどありません。次の例を見てみてみましょう。

◎「いやぁ、部長の営業力に、敬服いたしました!」
○「いやぁ、部長の営業力に、感服いたしました!」

「感」と「敬」のそれぞれの漢字の意味から考えると、「感服」よりも、「敬服」を使用した方が、部長に対して気持ちを表す場合にはさらに望ましいということがわかります。

ですから、相手の行動などに「心が動かされた」時に使う言葉の尊敬の度合いが「敬服」>「感服」>「感心」の順番になることがわかりましたね。

「感服」まとめ

今回は「感服」という言葉に着目しながら、その類義語の使用方法まで説明しました。皆さんの日常生活でも、使い分けが必要な場面が出てきますよね。

それにしても日本語というものは深みがあり難しいですよね。しかし、「とても」や「非常に」→「すごい」なら分かりやすいのですが、「心が動く」を「本当に心が動かされました」というより、「感服」や「敬服」を使用した方が、相手から「学」のある人に見られ、皆さん自身も一目置かれます。ですから、言葉の語彙の引き出しが多いことは非常に重要ですね。

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