「戦慄」の読み方
「戦」をせん、「慄」をりつと読み、「戦慄」と書いて「せんりつ」と読みます。「戦慄」は恐怖、ショックといったどちらかと言えばマイナスなイメージを持たれがちですが、実際はどうなのか以下で解説していきます。
他の読み方
「戦慄」は基本的に「せんりつ」と読みますが、ほかにも読み方が存在します。意味も含めてご紹介します。
・戦慄く(わななく)
→恐怖・緊張・寒さなどのためにからだがふるえる、声や楽器の音などがふるえる、ちぢれる、そそける、 動揺する、ざわざわと動く
「戦慄」の意味
「戦慄」とは「恐ろしくてからだが震えること」「寒さ、緊張、恐怖、感動などで体が震えること」「怖くて震えること」「おののくこと」を言います。以下で「戦慄」の漢字それぞれについてを詳しく紹介します。
漢字の意味
「戦」の字は文字の通り、「たたかい」や「いくさ」といった意味がありますが、その他にも「おののく」「ぶるぶるふるえる」といった意味でも用いられる言葉になります。「慄」も同様に、「戦慄」という言葉を構成する際には「おののく」という言葉の意味になります。
医療における「戦慄」
「戦慄」という言葉は、医療・看護用語としては少し違った意味をもっています。医療・看護用語の「戦慄」は「風邪の引き始めなどで高熱が出たときに体ががたがた震えること」という意味を指します。寒いときに体ががたがた震えること、体温調節のために体が震える生理現象が起きている状態を「戦慄(悪寒戦慄)」と表現することもあります。
「戦慄」の使い方
上記のように「恐ろしくてからだが震えること」「寒さ、緊張、恐怖、感動などで体が震えること」「怖くて震えること」「おののくこと」という、恐怖に関連した表現に用いられます。
「戦慄を覚える」などという形で日常会話で用いる場合は「恐怖や感動などで体が震えること」という意味です。医療における「戦慄」とともに「体が震える」という共通の意味で使用します。
例文
・戦慄が走る
・戦慄する(した)
・戦慄が電光のように頭に閃く
・戦慄が心に波打つ
・雨のように戦慄がきりなく叩く
・体に戦慄が起こる
・秋の冷気に似た戦慄が背筋を走る
「戦慄」の誤った使い方
・素晴らしさに打ち震える
・感動する
・驚愕する
こういった意味で「戦慄」という言葉を使用していることをみることがありますが、「戦慄」は「恐ろしくてからだが震えること」「怖くて震えること」であり、こうした意味は指していません。よって、「素晴らしさに打ち震える」「感動する」「驚愕する」といった意味で「戦慄」という言葉を使用するのは誤りでしょう。
「戦慄」の類語
「身震い」
→寒さや恐ろしさなどのため、からだがふるえ動くこと
「武者震い」
→戦いや重大な場面に臨んで、興奮のためにからだが震えること
「震撼する」
→ふるい動かすこと。また、人をふるえあがらせること
「動揺する」
→ ゆれ動くこと、心や気持ちがゆれ動くこと、平静を失うこと
「狼狽する」
→不意の出来事などにあわててうろたえること
「おののき(わななき)」
→恐怖・緊張・寒さなどのためにふるえること
「寒心」
→恐れや不安の念で、ぞっとすること
「身のすくむ思い」
→非常な恐怖感を覚えるような物事のこと
いかがだったでしょうか。「戦慄」についてご紹介しました。