色々の意味や使い方
「色々」は、品詞により以下のように意味が変わります。
- 形容動詞…種類の多いさま、さまざま
- 副詞…さまざまに、あれこれと
- 名詞…さまざまの色、多くの色、襲(かさね)の色目
例文:
- 色々な商品が所狭しと置いてある(形容動詞)
- 色々と考えて行動するように心がけた(副詞)
- ステンドグラスから差し込む色々の光が折り重なって、神秘的な美しさだった。(名詞)
襲の色目(かさねのいろめ)
襲の色目とは、平安時代以降の公家社会に行われた衣服の表地と裏地、また衣服を数枚重ねた場合の袖や襟などに見られる色合いのことをいいます。
平安貴族の間では、四季に合わせた自然の色彩を取り入れた配色美が一種の作法とされていました。いわば、平安貴族が身に付けておくべき教養のひとつでした。
色々の類語
「色々」には、以下の通り多くの類語があります。
- 各種…一定の範囲の種類がそれぞれにある様子(例:緑茶を産地別に各種取り揃えています)
- 種種…種類がたくさんある様子(例:種種の樹木が密集して生えている)
- 諸種…たくさんの種類。「諸」は、おのおの・めいめいという意味を持つ(例:このような事態になったのには諸種の事情があるのです)
- 様々…根本のところは同じだが、その他の部分で違ったものがたくさんある様子(例:この問題に対する感じ方は人によって様々である)
- 多様…形状・性質・種類などがたくさんある様子(例:近年、消費者のニーズの多様化が進んでいる)
- 多種…種類が多いこと、多くの種類(例:多種の病原菌に効果のある新薬品が開発された)
- 多彩…種類が多く、にぎやかな様子や色が多くて美しい様子(例:今回の舞台には、多彩な顔ぶれが揃っている)
- 諸々…あれこれとたくさんある様子。「諸」が重ね言葉になることで、「異なる物事が複数ある状態の総称」を指す(例:諸々の事情がありコンサートが中止になった)
色々の語源
色々の語源は、文字通り「色」から始まっています。平安時代の貴族の間では、「襲の色目」などが見られたように、特に自然の中の美しい色を愛でるという風習から、花や木々、織り上げられた布地、宝石などの色を表していました。
鎌倉時代での主な意味は、「さまざまな色」というものでしたが、室町時代後半になってくると、現代のような「さまざま」という意味へ主流が変化していきました。さらに江戸時代になると、「いろんな」という連体詞まで派生するようになりました。
色々の英語表現
「色々」の主な英語表現には、「assorted」「various」「diverse」「versatile」があります。
例文:
- She was holding a bag of assorted candies.(彼女はいろいろな飴が入った袋を手に持っていた)
- There are various things in her room.(彼女の部屋には様々なものがある)
- He has diverse interests.(彼は色々な趣味を持っている)
- We established versatile enterprises.(我々は様々な事業を確立した)