「言葉」とは?
「言葉」の意味
「言葉(ことば)」とは、次のような意味を持つ単語です。1の場合は「詞」または「辞」、2と3の場合は「詞」と表記することもあります。
- 「その社会に生きる人たちが思想や感情を伝え合うために伝統的に用いる音声」または「その音声で表現すること」
- 「(地の文に対しての)会話文」
- 「(謡物や語り物の中で節をつけない説明の部分」
「言葉」の機能
1の意味の「言葉」には、次のような機能や役割があります。
- 伝達機能:思考や感情を他の人に伝える。
- 分類機能:ものごとの意味や内容を区別する。
- 思考機能:ものごとを考えるための個々の要素となる。
また、「言葉」を文字に表すことによって、次の機能をが生まれます。
- 記録機能:ものごとを記号化して長期に保存する
- 言質機能:争いが起きた時に、責任を明らかにする証拠となる。
- 宣伝機能:より多くの他者に伝達させる。
「言葉」の由来
「言葉」は、7〜8世紀頃より使われ始めた「言(こと)」から派生した言葉です。本来、「言」には「事(こと)」と同じ意味で使われていましたが、事実・実態を伴うものには「事」、伴わない軽い表現には「言」を使うようになり、「言」+「端(は)」の複合語の「言端(ことば)」という単語が生まれました。
やがて、「ことば」はいろいろに表記されるようになり、『万葉集』においては、「ことば」の表記に「言葉」、「言羽」、「辞」の3種類が使われています。
この中から「言葉」の表記が残った理由としては、『古今和歌集』の「やまとうたは ひとのこころをたねとして よろづのことの葉とぞなりける」が「ことば」というものを上手に表わしていることから、「言の葉」という表現が多用されるようになり、「言の葉」の意味が「言葉」にも含まれるようになったと考えられます。
「言葉」の使い方
「言葉」には、様々な慣用表現があります。
- 彼女は早口言葉が得意だ。
- その先輩は、言葉巧みに勧誘した。
- 偉人の言葉を借りていえば、「失敗は成功のもと」だよ。
- 彼の指摘はもっともで、言葉を返すことができなかった。
- 彼はぶっきらぼうだが、言葉を飾らない分、発言に真実味がある。
- 彼女とは、ほんの少し、言葉を交わしただけだった。
- 進学について、言葉を尽くして父を説得した。
- お客様の前です、言葉を慎みなさい。
- 遅刻の理由を先生に問い詰められて、言葉を濁した。
- 恩師へのプレゼントには、感謝の言葉を添えた。
「言葉」の類語
話したり書いたりするもの
「話したり書いたりするもの」というニュアンスで用いる「言葉」を言い換える表現には、次のようなものがあります。
- 「言語」:意思や感情を伝達し合うための、音声による記号とその体系。
- 「言辞(げんじ)」:言葉遣い。
- 「文言(もんごん)」:文章の中の語句。文句。
コミュニケーションの手段という意味合いが強い表現には、「物言い」、「言い方」、「言いよう」などがあります。
人が口に出して言った内容
「人が口に出していった内容」というニュアンスで用いる「言葉」の類語には、次のような表現があります。
- 「口上(こうじょう)」:口頭で伝えること。または、その内容。
- 「台詞/科白(せりふ)」:俳優が劇中でいう言葉。言い方。言い草。
- 「発言」:言葉を出すこと。意見を言うこと。
- 「弁」:話すこと。説明すること。話しぶり。
人の感情や思考を表したもの
「人の感情や思考を表したもの」というニュアンスで用いる「言葉」の類語には次のようなものがあります。
- 「意見」:あることに対する考え。他人を戒めること。
- 「仰せ」:ありがたいお言葉。
- 「言説(げんせつ)」:説明して述べること
- 「言論(げんろん)」:話したり書いたりした意見。
- 「主張」:強い意見、考え。自分の意見を言い張ること。
- 「話」:口に出して語ること。話された内容。
また、メッセージの意味合いがさらに強い表現としては、「申立て」、「声明」、「申告」、「陳述」などがあります。