「クリスマス寒波」とは?意味や使い方をご紹介

「クリスマス寒波」という言葉をご存知でしょうか。毎年、12月のクリスマスの頃になると、恒例のように天気予報やニュースで耳にします。では、なぜ、「クリスマス寒波」と呼ばれているのでしょうか。「寒波」と「寒気」の違いなどを解説しながら、意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「クリスマス寒波」とは
  2. 「クリスマス寒波」の例文と使い方
  3. 「寒波」とは
  4. 「寒」を使った言葉やフレーズ
  5. 「クリスマス寒波」の後は「年末寒波」
  6. 寒波や寒気によって災害をもたらした気象事例

「クリスマス寒波」とは

「クリスマス寒波」とは、クリスマスの時期になると到来する寒波のことをクリスマスという名前をつけて表現した言葉です。この寒波は、シベリア付近で発生した強い寒気が日本列島に流れ込んで居座り、日本海側では大雪、太平洋側では冷風となります。また、年末低気圧とも呼ばれています。

「クリスマス寒波」の例文と使い方

  • 12月に入り寒さが増してきました。今年も、クリスマス寒波がやってきます。
  • クリスマスは雪景色になるよ。これも、クリスマス寒波の影響かな。
  • クリスマス寒波の到来により大雪となるため、交通障害などが発生します。
  • 今年は暖冬であると油断していたら、クリスマス寒波がやってきた。

クリスマスが近くなるとそれに合わせるかのように、お天気の解説やニュースなどで「クリスマス寒波」という言葉がよく使われます。

「寒波」とは

寒波の意味や寒気との違いなどについて紹介します。

「寒波」の意味

「寒波」とは、「主に、冬期において、広い地域に数日間にわたって、著しい寒気が到来する」ことです。1812年、ナポレオンがロシア遠征を行い、寒波の到来によって敗北したことにより、「寒波」を「冬将軍」と呼ぶこともあります。また、1941年、ナチスドイツは、ソ連に侵攻しましたが、この時も、「冬将軍」により敗北を喫しました。

「寒波」と「寒気」の違いは

「寒気」とは、「周りの空気に比べて低温な空気」という意味です。「寒波」との違いは、低温な空気の状態が継続する期間の長短によります。一時的なものであれば、「寒気」となります。一方、広い地域に数日間居座るようであれば、「寒波」となります。

「寒」を使った言葉やフレーズ

  • 酷寒  厳しい寒さ。
  • 寒冬  冬の平均気温が低い冬。
  • 寒さが増す  一段と寒くなること。
  • 寒の戻り  3月から4月に再び寒くなること。
  • 寒気の吹き出し  冬型の気圧配置に伴い、シベリア方面の高気圧が張り出し、強い寒気が南下してくること。
  • 寒気が入る  寒気が流れ込むこと。

「クリスマス寒波」の後は「年末寒波」

「クリスマス寒波」の後に続いて到来するのが「年末寒波」です。その年によって、寒波の強弱がありますが、年末にかけて到来するため、「年末寒波」と呼ばれています。「年末寒波」は、1月から2月の寒波に比べれば、寒気もまだ弱い状態です。しかし、12月は大気の上層と下層の温度差が大きいため、大気の状態が不安定になりやすくなります。そのため、太平洋側でも降雪となり、各地で交通障害などが発生します。

寒波や寒気によって災害をもたらした気象事例

12月から1月にかけては、「クリスマス寒波」や「年末寒波」などにより、過去において、甚大な災害が発生しました。災害をもたらした気象事例を気象庁資料に基づき紹介します。

平成18年豪雪

平成17年12月から平成18年1月にかけて、非常に強い寒気が日本付近を南下し、日本海側では、記録的な大雪となりました。各地の積雪は、12月としては最大を更新し、東日本、西日本ともに12月の月平均気温が戦後最も低い状態となってしまいました。

12月中旬から1月中旬にかけて、除雪中の事故や落雪などにより、甚大な被害が発生したほか、交通障害や電力障害などにもなりました。

昭和38年1月豪雪

昭和37年12月末から昭和38年2月初めまで北陸地方を中心として、東北地方から九州にかけて広い範囲で断続的な降雪に見舞われました。鉄路、陸路ともに、除雪がおいつかず、交通が遮断され、孤立する集落も多数となり、家屋の倒壊も相次ぎました。また、九州でも断続的に雪が降り続き、交通障害や通信障害、停電、農業被害が多発しました。

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