「つまり」とは?意味や使い方・類語をご紹介

「つまり」と「だから」はほとんど同じ意味だと思っていませんか?実は接続詞としての目的は、それぞれまったく違います。本記事では「つまり」の意味や使い方はもちろん、類語との違いや分類ごとの接続詞、派生語である「とどのつまり」などについても紹介します。

目次

  1. 「つまり」の意味
  2. 「つまり」の派生語「とどのつまり」
  3. 「つまり」の類語

「つまり」の意味

「つまり」は名詞として使用するか、副詞として使用するかによってその意味合いが変わります。

【名詞】

  • つまること(例:排水口のつまりを取り除く)
  • はて、つめ、おわり(例:「ギャンブルなんてみんなやっている」とちょっと嘗めたが身のつまり、借金で首が回らなくなった)
  • 窮乏、困窮(例:だしぬき奉公をして諸傍輩のつまり、迷惑をかえりみず/『可笑記』)
  • 行き止まり、すみ(例:ここのつまりに追つつめてはちょうど斬る/『平家物語』)

【副詞】
  • ついに、はては(例:両人立廻りいろいろ有。つまり隻人、又次を切殺し懐中を尋ねる/『韓人漢文手管始』)
  • 結局、つまるところ、要するに(例:見た目はともかく、彼はまだ義務教育すら終えていない。つまり未成年なのだ)

このなかで、現代語として一般的なのは「つまること」という名詞の用法と、「結局、つまるところ、要するに」という副詞の用法でしょう。それ以外は古い使われ方で、現代ではほとんど見かけません。

「つまる」とは

「つまる」は多義語ですが、なかでも「ふさがる」「行き着く」という意味が「つまり」に通じています。

「ふさがる」は、「排水口のつまり」のような管状のものが塞がる用法に通じますし、「行き着く」は「結論、結局」という副詞の意味に通じますね。

「つまり」の派生語「とどのつまり」

副詞の「つまり」から派生した語に「とどのつまり」があります。結論の良し悪しに関わらず使用できる「つまり」に比べ、「とどのつまり」は結論が好ましくない場合に用いられる傾向があります。

【例文】

  1. 姉は給料が入るとすぐに服や装飾品を購入する。美しくなるための必要経費と彼女は言うが、つまり浪費家なのだ。
  2. 姉は給料が入るとすぐに服や装飾品を購入する。美しくなるための必要経費と彼女は言うが、とどのつまり浪費家なのだ。

淡々と「要するに浪費家である」という結論を示している1の例文に比べ、2の例文はやや感情的なニュアンスが含まれるのがおわかりでしょうか。

「本人がどう取り繕って弁明しようが、結局のところ浪費家というだけのことだ」という、わずかに非難や呆れを孕んだニュアンスですね。

「とどのつまり」の語源

ところで、「とどのつまり」の「とど」とは一体何のことでしょう。これには諸説ありますが、有力なのは「ボラ」であるという説です。

ボラは全世界に広く分布する出世魚で、成長するに従って呼び名が変わっていきます。その呼称は地域によって多少違いがありますが、たとえば関東ではオボコ→イナッコ→スバシリ→イナ→ボラ→トドと名が変わります。

どんなに呼び名を変えようと、最終的に「トド」に行き着くところから「とどのつまり」と言われるようになったということです。

「つまり」の類語

  • だから…そういうわけで。前の文章を根拠として強調したうえで、意見を述べる際に使用される。
  • したがって…それだから。「したがう」には後についていく、道に沿うなどの意味がある。「その道理でいけば当然」というニュアンス。
  • よって…そのために。「よる」はそのことに基づくという意味。前文を根拠として強調する。
  • 要するに…かいつまんで言えば。「要する」とは要約すること・かいつまむこと。前文を端的に言い換える際に使用する。
  • すなわち…言い換えれば。古くから使われるかたい表現。「然るときには」という用法もある。

「つまり」と「だから」の違い

「接続詞」とは、前と後の句や文を接続する語のこと。前後の文章の関係を示すことで文脈を円滑にしつつ、受け手の理解を助けます。副詞の「つまり」も、この接続詞に該当します。

ちなみにみなさんは、先ほど類語に挙げた「だから」と「つまり」は、ほとんど同義だと思っていませんか?「だから」も「つまり」も、後の文章が結論となるので、たしかに似ている気がしますね。ですが、接続詞としての目的はそれぞれ異なります。

「つまり」の接続詞としての目的は言い換えです。たとえば「彼女の年齢は10歳、つまり小学生です」という文章は、年齢を肩書に言い換えていますね。

一方「だから」は、前の文章を根拠として意見や推論を述べるときに使用します。「彼女の年齢は10歳、だから小学生です」だと、年齢から肩書を推察して結論づけたという意味合いになるのです。

接続詞の分類

「つまり」や「だから」以外にも、日本語にはさまざまな接続詞がそれぞれの目的をもって存在しています。すべてを使いこなすのは困難かもしれませんが、この機会にいくつかレパートリーを増やしてみてはいかがでしょうか。
 

分類 目的
順接 前述の内容が原因・理由を、後述の内容が結果・結論を表す だから、したがって、よって、そこで、すると
逆接 前述の内容からは予想外の内容を後述する しかし、だが、ところが、とはいえ、にもかかわらず
並列 前述の内容と後述の内容を対等のものとして提示する また、および、かつ、ならびに
添加 前述の内容に後述の内容を付け加える そして、しかも、なお、おまけに、どころか
対比 前述の内容と後述の内容を比べ相違点・共通点を挙げる 一方、対して、反面
選択 前述の内容とは別の選択肢を提示する または、もしくは、あるいは、ないしは
列挙 順番に挙げる まず、第一に、ひとつ目に、はじめに
説明 前述の内容を説明する なぜなら、だって、というのも、なにせ
補足 前述の内容を補足する ちなみに、ただし、なお、もっとも
言換 前述の内容を言い換える つまり、すなわち、要するに、むしろ
例示 前述の内容の例を挙げる たとえば、言わば、言うなれば
注目 前述の内容のなかからとりあげて注目する とくに、とりわけ、なかでも、ことに
転換 話題を変える さて、ところで、それはさておき
結論 話を締めくくる こうして、かくして、ともかく、いずれにせよ


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