「統合」の読み方
まず「統合」は、「とうごう」と読みます。訓読みで「統」は「す(べる)」、「合」は「あ(わせる)」と読む字です。どちらの漢字も小学校では、五年生あたりまでに習います。
「統合」の意味
「統合」とは、二つ以上のモノを合わせて、一つにすることを表します。ここでのモノとは、たとえば組織であったり、何かのデータであったり、幅広い範囲を示します。
それぞれの字について、「統」には統べる、まとめて治めるなどの意味があります。一方の「合」は、一緒になるなどの意味を持っています。
「統合」の使い方
「統合」は名詞として「統合を~」や「統合によって~」のように使われる一方で、動詞として「統合する」や「統合したい」などのように、サ行変格活用されます。
例文①
【例:近隣の町と村を、一つに統合する】
これは動詞として使っていて、「統合」における一つにすることと一部の意味が被っていますが、正しい使い方です。
「町と村を合わせて、一つの纏まりにする」と言い換えられます。集団と集団をくっ付けて、一つの新たな集団にする、ということです。
例文②
【例:AのデータとBのデータの統合によって、効率化を図る】
これは名詞として使っていて、「一つにすることで~」や「纏めることで~」と言い換えられます。たとえば別々の人が作った商品リストを一緒にして、調べやすくするようなイメージです。
「統合」を表す英語
「統合」を表す英語には、「integration」や「unification」などが挙げられます。「integration」には統合の他にも、調整や完成などの意味があります。
「unification」は統一、単一化などの意味を持っています。一つにするという点は共通していますが、比べるとそれぞれ、少しニュアンスが違っていますね。
「統合」の類語
「統合」の類語には、「総合(そうごう)」、「合併(がっぺい)」、「結合(けつごう)」、「合流(ごうりゅう)」、「協同(きょうどう)」などがあります。
「総合」について
複数の意味を持つ「総合」ですが、中でも個々別々のモノを一つに合わせ、纏め上げることという点が、「統合」と似ています。
たとえば「各々の意見を統合する」は、「各々の意見を総合する」と言い換えられます。他の使い方としては、「総合的に考える」や「総合の点数」のような表現があります。
「合併」について
「合併」とは、二つ以上のモノ、特に組織などが一つに合わさることや、合わせることを表します。たとえば「町と村の統合」は、「町と村の合併」と言い換えられます。他には「会社が合併される」や「学校の合併の計画」などのような使い方があります。
「結合」について
「結合」とは、二つ以上のモノが結びついて一つになることや、結び合わせて一つにすることを表します。使い方としては、「原子の結合」や「元素の結合」などのように用いられます。
「合流」について
「合流」には、以下の二つの意味があります。
- いくつかの(川などの)流れが合わさって、一つの流れになること
- いくつかに分かれていたモノや、別の団体や組織などが、一つに合わさること
まず1の意味では、「川の合流地点」のように使われます。次に2の意味では、「味方と合流する」のように使われます。比べると2は人間の意思が関わっていて、少しニュアンスが違っていますね。
そしてたとえば戦争などにおける「他の部隊との合流」は、部隊を一つに纏めるという意味で、「部隊の一時的な統合」のように言い換えられます。
「協同」について
「協同」とは、二人以上の人間や団体などが、一つの物事のために力や心を合わせることを表します。何かが一つに纏まるという点が、「統合」と似ていますね。
使い方に関しては、「今だけは協同戦線を張る」や、「住民が協同して作業に当たる」などのように用いられます。この言葉は協力というニュアンスが強めです。