「ごきげんよう」とは
ミッション系の女子校で、お互いにすれ違う際「ごきげんよう」と挨拶を交わす場面を、誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。お嬢様でなければ使えない挨拶なのか?と思う方もいるかもしれません。では何故、「ごきげんよう」には、そうしたイメージがあるのでしょうか。
「ごきげんよう」とは本来、出会った際や別れ際に、相手の健康状態を伺う意味あいを込めて交わす挨拶です。もとは京都の宮中で発生した御所言葉でした。女官がまず、両陛下に会う際に両陛下のご機嫌を伺う「お揃いあそばされましてご機嫌よう」と挨拶をしたことが語源と言われています。その後、公家、華族や貴族へ広まり、近代で山の手言葉として使われるようになり、「ごきげんよう=セレブな人が使うイメージ」が定着しました。
「ごきげんよう」の意味
では、実際にはセレブな人達以外は使えないか、と言われると答えは否です。男女共に、使用することが出来る挨拶です。ここでいう「ご機嫌」は、機嫌を損ねるといった感情的な「機嫌」ではなく、相手の健やかな状態についての問いかけをしています。「ご機嫌いかがですか?」という挨拶も耳にしたことがあると思いますが、この際の「ご機嫌」も同じ意味です。
例えば、半年ぶりに会う友人同士だと「お久しぶりです、その後お変わり無かったですか?お体お元気でしたか?」とまず最初に切り出すでしょうか。この「お体お元気でしたか」の部分が「ご機嫌よう」に当たるわけです。「ごきげんよう、お久しぶりです」で、実は相手の健康を気遣った質問も挨拶も済ませている事になります。
「ごきげんよう」のタイミング
よく、テレビ番組やラジオ番組などでは締めの挨拶の時に「それでは、ごきげんようさようなら」と使うのを聴いたことがあると思います。どことなく「ごきげんよう」には別れ際の挨拶のようなイメージがありますが、上で説明したように久しぶりの再会を果たしたような場面で、最初の挨拶として切り出しても問題はありません。
別れ際の挨拶の場合は、「どうぞ次に会う時まで健康でお過ごしください」といった祈りを込めた挨拶となります。
万能な「ごきげんよう」
「ごきげんよう」は、男女の差や年代の差無く使う事が出来る挨拶の為、学校でも職場でも上下関係に囚われず使用することが出来ます。「ごきげんよう」と挨拶された場合は、そのままオウム返しで「ごきげんよう」と返すのが一般的な形式です。
ただ、慣れていない相手の場合、セレブな挨拶と思い身構える傾向があるので、その際は「ご機嫌いかがですか」と言い換えるといいでしょう。