「まったり」の意味
「まったり」は主に以下の三つの意味をもっています。
- 味わいがおだやかでこくがあるさま。
- ゆったり、のんびりとしているさま。だらだらしているさま。
- 人柄がおだやかなさま。
本来は、味覚を表現する言葉として、料理番組などで使われてきました。その後、グルメブームによって、全国的な広がりをみせ、次第に、「ゆったり」や「のんびり」という意味をもつようになりました。
「まったり」の例文
それぞれの意味合いごとに、例文を紹介します。
味わいがおだやかでこくがあるさま。
- お正月には、まったりとした白味噌仕立てのお雑煮をいただく。
- このラーメンは、豚骨ベースのまったりとした味わいです。
ゆったり、のんびりとしているさま。だらだらしているさま。
- 温泉にでも浸かってまったりと過ごす。
- 休みの日は、何もせず、まったりとしている。
人柄がおだやかなさま。
- 彼は、まったりとした性格で、誰からも好かれる。
- 社長は、まったりとした人だから、怒ったりはしない。
「まったり」の語源と一般化
「まったり」の語源は京都の方言です。「おだやかでやわらかいこと。味わいがまろやかでこくがあること」という意味で、京都では当たり前のように使われてきました。
もちろん方言なので、当初は全国的に認知された言葉ではありませんでしたが、漫画やアニメの影響により広く浸透していきました。
グルメ漫画『美味しんぼ』
1983年から連載が始まった『美味しんぼ』は、さまざまな「食文化」や「食べ物」を詳細に紹介し人気を得たグルメ漫画です。
この『美味しんぼ』のなかで「まったり」という言葉が使われ、全国的に認知されるようになりました。
テレビアニメ『おじゃる丸』
1998年に放映されたテレビアニメ『おじゃる丸』の中で、主人公おじゃる丸が気分や態度を表す表現として「まったり」を使いました。これにより、「まったり」は気分や態度を表現する語として全国的に流行し、一層の認知を得るようになりました。
このように、京都で方言として使われていた「まったり」は、漫画やアニメの中で使用されることで認知を得、全国に広く浸透していったのです。
「まったり」と類語の違い
「のんびり」や「ゆったり」は、「まったり」と同じような意味合いをもっています。しかし、「まったり」は、これらの言葉と違う意味を合わせもっています。
「のんびり」、「ゆったり」の意味を例文とともに紹介しながら、「まったり」との違いを解説します。
「のんびり」とは
「あくせくせず、ゆったりとしたさま。」という意味です。
- のんびりと暮らす。
- のんびりと湯につかる。
- のんびりした性格
「ゆったり」とは
「あわてず、ゆとりのあるさま。きゅうくつでなく快いさま。」という意味です。
- ゆったりとした態度
- ゆったりとくつろぐ。
- ゆったりとしたコート
「まったり」との違いは
「のんびり」や「ゆったり」は、反対語として、「いそぐ」や「あわてる」があるように、時間や時の速度を表現する際に使われたりします。
一方、「まったり」は、主に、その場の雰囲気や風情を醸し出す場面で使われます。また、料理の味わいを表現するのは「まったり」だけです。
「まったり」の英語表現
「まったり」の英語表現では、relaxとchillが使われます。chillは、スラングでいろいろな意味をもっていますが、「まったりする」という意味でも使われます。英語での表現は以下のとおりです。
- go chill at a cafe(カフェでまったりしろよ。)
- I am relaxing on my own(私は一人でリラックスしています。)
- I like to chill at a cafe on sunday(私は日曜日にカフェでまったりすることが好きです。)