「厚かましい」の読み方と意味
「厚(あつ)かましい」とは、恥じる気持ちや遠慮がないこと、行動や態度や図々しく、慎みがないことを表します。ちなみに図々しいとは、人に迷惑などを掛けても、平気でいることを意味します。
「厚かましい」の使い方
上述の意味を踏まえて、「厚かましい」はその行動や態度、引いては人の性格などを指して使われます。また「厚かましさ」や「厚かましく」などのように、変化した形でも使われます。
例文①
【例:彼は厚かましい人だ】
これは人の態度や性格を表していて、図々しいニュアンスが強めに伝わるかと思います。たとえば他人の持ち物を壊しても謝らないだとか、相手への迷惑を考えないような感じです。
似たような使い方としては、「彼はすごい厚かましさだな」や、「よくもここまで厚かましくなれるものだ」のような表現があります。
例文②
【例:厚かましい頼みで恐縮ですが、ペンを貸してください】
こちらは自分の頼み事をするという行動や、その頼み事の内容に対して、「厚かましい」を使っています。「遠慮のない頼みですが」や「不躾な頼みですが」と言い換えられ、一つ目の例文とは少しニュアンスが異なります。
たとえば目上の相手にただ「ペンを貸してください」では、「失礼なヤツだな」と怒らせてしまうかもしれません。
そういうときに自分の行動を「厚かましい」と評することで、相手の不快感を和らげられるというか、「厚かましくてごめんなさい」と予防線を張れるわけです。
「厚かましい」に関連する言葉
「厚かましい」に関連する言葉には、「面の皮が厚い」、「鉄面皮」、「野面皮」、「厚顔無恥」、「悪びれない」、「無作法」などがあります。
「面の皮が厚い」について
「面(つら)の皮が厚い」とは、恥を恥とも思わないことや、図々しい、厚かましいことを表します。
「厚かましい」の意味を含んでいる一方で、面と言うとちょっと乱暴なイメージを受ける方もいらっしゃるかもしれません。この言葉は「面の皮が厚いヤツだ」や、「彼は面の皮が厚い」などのように使われます。
「鉄面皮」について
「鉄面皮(てつめんぴ)」とは、恥知らずで厚かましいことや、その様子を表します。この言葉は「面の皮が厚い」とほぼ同じ意味で、厚かましいことを、面の皮が鉄で出来ていることに例えています。
これは他人に迷惑を掛けても平気でいる=表情を変えない=顔が鉄みたいだ、というようなことです。使い方としては、「彼は鉄面皮な男だ」や「彼女は鉄面皮だ」などのように用いられます。
「野面皮」について
「野面皮(のめんぴ)」とは、図々しいことや厚かましいことを表します。また上述の「鉄面皮」の意味も含みます。
「鉄面皮」との使い分けが難しい言葉ですが、「野」の字は、野生や卑しいなどの意味を持っています。引いては品がないということです。よって「野面皮」は「鉄面皮」と比べて、下品なニュアンスが強めだと言えるでしょう。
「厚顔無恥」について
「厚顔無恥(こうがんむち)」とは、厚かましくて恥知らずなことや、他人の迷惑を考えず、自分勝手に行動することを表します。
まず「厚顔」とは、厚かましく恥知らずなことを意味します。一方で「無知」とは、知識に欠けることや、愚かなことなどを意味します。ここでの欠けている知識とは、相手への接し方だとか、礼儀のような感じです。
つまりそれらが組み合わさった「厚顔無恥」は、厚かましいことや不躾な態度を、強調しているわけですね。
「悪びれない」について
「悪(わる)びれない」とは、自分がやったことを悪いと思わない、恥じないことを表します。逆に「悪びれる」は、悪いと思うことを表します。
この言葉は「悪びれる様子もない」や「悪びれもせずに」のような形でも表現され、悪いことをしたのに平然としているような感じです。
「無作法」について
「無作法(ぶさほう)」とは、礼儀作法に外れていることや、その様子を表します。またこの言葉は「不作法」とも書かれますが、意味は同じです。使い方としては、「無作法な振る舞い」や「無作法な人だ」のように用いられます。