「どかた」とは?意味や由来をご紹介

皆さんは「どかた」という言葉をご存知でしょうか。漢字では「土方」と書き、土木工事の作業員のことです。昔は土木・建築関係の職業がとても多かったのですが、最近はあまり聞かなくなったかもしれません。ここでは「どかた」の意味や由来などを、順に紹介していきます。

目次

  1. 「どかた」の意味
  2. 「どかた」の由来
  3. 「どかた」の他の土木・建築関係の職業
  4. 「どかた」と「土方」姓

「どかた」の意味

「どかた」は漢字で「土方」と書き、土木工事に従事する労働者・作業員のことです。現在「どかた」と呼ばれる労働者の業務内容は、建築現場での人力での下準備や資材運搬といったものがもっとも多いようです。

ただし「職人」の補佐として見習い中の人を「どかた」と呼ぶこともありますが、上下関係から差別用語とされることもあります。

「どかた」の由来

土木工事を専門にした職業組織は、戦国時代にはすでに存在し、河川の堰(せき)や橋、田畑の畔(あぜ)の整備など、雇われて日本中を旅しながら働いていました。

とくに埋立(うめた)てを行う職人は当時、土手人足方(どてにんそくがた、方は敬称)と呼ばれ、これを略して土方という呼称が生まれたと考えられています。

「どかた」の他の土木・建築関係の職業

「どかた」は広い意味で言えば「大工」になりますが、建築業界には専門職人が多く、ほとんどを「~大工」または「~屋」と呼び区別します。

穴掘り大工、宮大工、瓦大工、壁大工、屋根屋、トタン屋、などです。職人の中でも特に優れた技術を持つ人を、匠(または工、どちらもたくみと読みます)と呼ぶこともあります。

「どかた」と「土方」姓

「どかた」を漢字では「土方」と書きますが、同じ字で「ひじかた」と読む姓があります。特に有名なのは幕末に活躍した土方歳三(ひじかたとしぞう)で、日本史ファンの間ではもっとも人気の高い人物の一人です。

司馬遼太郎の小説で彼は、以前に「どかた」をやっていたから「土方」を名乗ることにした、というくだりがありますが、「土方」姓の歴史は古く数もそれなりに多いので、これはあくまで「小説(事実ではなく作者の創作)」だと考えるほうが良いのではないでしょうか。

土方姓のルーツ

土方姓は清和源氏頼親流と藤原氏を祖にする二つのルーツがあり、前者は菰野藩(こものはん、現在の三重県三重郡菰野町菰野)の藩主を江戸開幕の初代から明治の廃藩置県まで代々勤め、華族になりました。

姫路藩、加賀藩、沼津藩などに仕えた士族があり、現在は東京、神奈川、滋賀などに多く住まわれています。有名な豪農(ごうのう、富裕上層農民)の生まれの土方歳三が、これらの内どれかがルーツだった可能性はあります。

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