「清々しい」の意味とは?
形容詞「清々しい」(すがすがしい)の意味は、人の態度や性格、物事の様子がさっぱりとしていて気持ちが良い、爽やかで快いということです。
「清」の字には、水が綺麗で澄んでいることや、心や行いにけがれがないこと、気分が良いことなどの意味があります。「清々しい」は、この「清」の字を重ねることによって、より一層の清らかさや爽やかさを表現しています。
また、現代では一般的ではありませんが、古語では「物事が滞りなく行われる」「ためらいがなく速やかに行われる」などの意味でも使われていました。
「清々しい」の使い方と例文
「清々しい」は時候の挨拶や、良い意味で使うことがほとんどです。ただし、まれに皮肉や嫌味の意図を込めて使うケースも見られます。
時候の挨拶
「清々しい」は俳句では夏の季語に分類され、とりわけ、長期休暇の後の5月上旬頃~6月の上旬頃にかけての、心地よく過ごしやすい初夏の季節を表せます。また、改まった手紙を書く際の時候の挨拶としても使えます。
【時候の挨拶の例文】
- 若葉の候、清々しい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
- 清々しい初夏の季節を迎え、青葉が一段と濃くなってまいりました。
- 風薫る清々しい5月となりました。
良い意味で使う
「清々しい」は褒め言葉やポジティブな心情を表す語として使えます。しつこくなくわだかまりがない人柄、さっぱりとして快適な気持ちやそのような物事、人が正々堂々と正しく振る舞って周囲に良い印象を与える様子などについて、「清々しい」と表現できます。
【例文】
- 両チームとも、スポーツマンシップに則った清々しい試合運びでした。
- 彼は清々しい態度で相手にエールを送った。
- 清々しい晴天で、お出かけ日和(おでかけびより)だね。
- 後にわだかまりを残さないように振る舞えるなんて、Aさんは清々しい人だね。
皮肉や嫌味を込めて使う
「清々しい」は、時に人の振る舞いについて皮肉や嫌味を含めて使われることがあります。例えば、批判されてもおかしくないような大胆な言動や、悪いことをしながらも開き直った態度などに対して、「清々しいほど~」「むしろ清々しい」などと表現します。
こういった言い回しをする時には、思い切ったことをしているのにコソコソせず、堂々と振る舞っている様子がかえって気持ちよく感じるという思いを、皮肉っぽく言うことが多いです。
【例文】
- 彼女は虫も殺さぬような顔をして、清々しいほど悪どいことをするね。
- 細かい部分まで秘密をばらして週刊誌に情報を売るなんて、むしろ清々しい人だね。
- 相談せずに黙って告発するなんて、清々しいことをするね!
「清々しい」の類語
爽やか
「爽やか」(さわやか)とは人や物の性質を表す言葉で、さっぱりとしていて快適な様子、心地よく感じることです。
「清々しい」と同じような意味ではありますが、時候の挨拶で使う時には注意しなくてはなりません。というのも、「爽やか」は秋の季語に当たるからです。目上の人などへの改まった手紙でこの言葉を入れたい場合は、時期を考えて使いましょう。
【例文】
- 9月に入り、爽やかな風が優しく吹いています。
- 爽やかな青い空が広がっていますね。
- 彼のような爽やかな人になりたいものだね。
- 初秋の候、爽やかな季節となりましたが、御一同様お元気でお過ごしでしょうか。
爽快
「爽快」(そうかい)とは、字の通り爽やかで快適であることで、人の気持ちを表す時に使う言葉です。気分が爽やかで快いという意味の「気分爽快」という使い方もあります。
【例文】
- ぐっすりと眠れて、爽快な気持ちで朝を迎えたよ。
- 美味しいお酒と料理を堪能(たんのう)して、気分爽快だ。
- 展望台からの眺めは実に爽快だった。
「きよきよしい」とは?
「清々しい」は「きよきよしい」とは読みません。しかし、以前、ある著名なサッカー選手がテレビのインタビューで、自分の心境を「きよきよしい」と話し、SNS上で『「すがすがしい」と読み間違っているのでは?』と一躍話題になりました。
その後、選手のアカウントに間違いを指摘する声が集まると、当の本人が「恥ずかしい。漢字を読み間違えてしまいました。もう覚えました。」というメッセージを投稿。
間違いを素直に認めて謝る態度に多くの人が「清々しさ」を感じ、かえって人柄を評価する声が大きくなりました。