「あぶく」の意味と使い方
「あぶく」とは、「泡」を俗な言い方にした言葉です。泡はご存知のとおり、水の中に気体を含んでできる小さな球体のことで、英語ではbubbleです。
他に、水泡(すいほう)と呼ぶ場合は、水にできた泡を指します。あぶく、泡は水以外の液体にできるものにも広く使います。
「あぶく」の語源
「あぶく」は「泡沫(あわぶく)」が変化したもので、「ぶく」とは泡立つときのブクブクという音から来たという説、吹く意味だという説などがあります。
「あぶく」の使い方
- 金魚があぶくを吐く
- あぶくを吹いて昏倒する
- 鍋にあぶくが立つ
わらべうたの「あぶく」
昔から子どもたちに歌い継がれてきた歌のことを「わらべうた」といいますが、この「わらべうた」にも「あぶく」が使われています。以下は『あぶくたった』というわらべうたの冒頭の部分です。
煮えたかどうだか食べてみよう
むしゃむしゃむしゃ
まだ煮えない
鍋が煮立って泡立つ様子を「あぶくたった煮え立った」と表現していますね。このわらべうたを用いて行われるゲームでは、鬼役をその他の子どもが手をつないで輪になって取り囲み、上記の節を3回繰り返します。
リズミカルで一見可愛らしい歌なのですが、歌詞の意味やゲームの内容を深読みすると、ちょっと不気味な一面のある歌なので、みなさんも興味があれば調べてみてくださいね。
「泡銭」という慣用句
「あぶく」単体よりも、「泡銭(あぶくぜに)」という言葉のほうが聞き覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは苦労しないで手に入れた金銭、特に悪事や博打(ばくち)で得た金銭のことで、悪銭(あくぜに・あくせん)とも呼びます。
「悪銭身に付かず(あくせんみにつかず)」ということわざがありますが、これは不正で得た金銭は無駄に使ってしまいがちで、結局は残らないものであるという意味の言葉です。
日本は勤勉実直が美徳の国であり、お金というものは正当かつ誠実な労働の対価として得るものだからこそ価値があるという考え方がありました。
頑張って得た給金は大事にし貯蓄もするでしょうが、例えば少し後ろめたいような理由で不意に手に入ったようなお金は、一晩で全部酒代に使ってしまったり、特に必要でもないのに衝動買いしてしまったり、あるいはさらにろくでもないような目的に使ってしまいがちです。
後になって後悔したり、または反対にホッとしたりと、現代でも誰にでも見覚えのあるような話ですが、昔はもっと罪の意識が大きく、強く自分を戒める必要がありました。バブル経済という名付けの例もあることですし、お金は慎重に、大事に使いたいものです。