「まちまち」とは?意味や使い方をご紹介

「思っていることを聞いてみたら驚いたことにみんなの意見はまちまちでした」というふうに何気なく使っている「まちまち」ですが、きちんと意味を理解して使っている人は少ないのかもしれませんね。ここでは「まちまち」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「まちまち」の意味と使い方
  2. 「まちまち」の類語
  3. 「まちまち」と四字熟語
  4. 「まちまち」の対義語
  5. 「まちまち」と「ちまちま」

「まちまち」の意味と使い方

「まちまち」の意味

「まちまち」は、それぞれ異なっていること、一つ一つ違っていることを表します。漢字では「区区」と書きます。

「区」という字の旧字体は「區」という字で、品はこまごまとした品物のことです。「區」はそのこまかい品物をかこいの中にしまっておくことを表し、そこから区切るという意味にもなります。

「まちまち」の使い方

  • 初めはまちまちだった住民の意見もどうにかまとまりつつある
  • 背広や制服や作業着など各人がまちまちの服装で出席していた
  • 報告の内容がてんでまちまちだ
  • 会合の出席者の年齢はまちまちだったが、顔見知りは何人かいた
  • 田舎に行くとコンビニエンスストアの営業時間もまちまちだ

「まちまち」の類語

類語:ばらばら

「ばらばら」は、まとまらずに別々であるさま、またはまとまっていたものが不揃いになるさまをいいます。

「まちまち」が単に一つ一つ異なっていることを表すのに対して、「ばらばら」には元々まとまっていたものや、本来1つであるべきものが分かれてしまったというニュアンスが含まれます。

【例文】

  • 祖母は家族がばらばらに暮らすことに反対しています
  • ばらばらな意見を時間内にまとめてください
  • 道具をばらばらに置くな

また「ばらばら」には、「大豆がばらばらとこぼれた」といったように粒状のものが散らばりながら続けて落ちるさまやその音を表す語、および「バスから乗客がばらばらと降りてきた」のように何人かの人がまとまりなく出てくるさまという副詞としての意味もあります。

類語:ちぐはぐ

「ちぐはぐ」は、対になるべきものがそろっていないこと、また物事がくいちがって調和がとれていないことをいいます。「まちまち」や「ばらばら」が多数のものを指すのに対して、「ちぐはぐ」はあるものとあるものといったペア感がありますね。

【例文】

  • 上下ちぐはぐな服装(上のシャツと下のズボンなど)
  • 話がちぐはぐになる(前に聞いた話と今聞いた話など)
  • 言ってることがちぐはぐですよ(Aの意見とBの意見など)

類語:不揃い(ふぞろい)

「不揃い(ふぞろい)」は、そろっていないこと。大きさ、形、種類などがまちまちであること。また組になっているものの数が足りないことをいいます。「不揃い」はそろっていない項目(形状や種類など)に重きが置かれる表現です。

【例文

  • 棒の長さが不揃いなので気をつけてください
  • 食器棚には不揃いのティーカップが並んでいました
  • 不揃いな野菜ですが味には自信があります
  • ユニホームがてんで不揃いだ

類語:斑(むら)

「斑(むら)」は、物事がそろっていないこと。均一の状態になっていないこと。安定していないこと。ある状態に落ち着いていないことをいいます。

【例文】

  • 染めにむらができてる
  • 気分にむらがある
  • 彼は成績にむらがありすぎる

「まちまち」と四字熟語

支離滅裂

「まちまち」と同じような意味をもつ四字熟語に「支離滅裂(しりめつれつ)」という言葉があります。ばらばらでまとまりがないこと。筋道もなにもなくむちゃくちゃなことを表します。

「そんな支離滅裂な話は信じられない」「支離滅裂の状態をなんとかしなくては」というふうに使います。

滅茶滅茶

その他には「滅茶滅茶/目茶目茶(めちゃめちゃ)」「滅茶苦茶/目茶苦茶(めちゃくちゃ)」という言葉があります。「めちゃ」は道理に合わないことや程度がはなはだしいことを表しますが、「滅茶」も「目茶」も当て字です。

「めちゃめちゃ」は、形や秩序などが混乱してだめになるさまをいい、「めちゃくちゃ」その程度がどうにもならないほど乱れたさまをいいます。

「めっちゃ」が原級で「めちゃめちゃ」が比較級「めちゃくちゃ」が最上級といった感じでしょうか。「糸がめちゃめちゃに巻き付いている」「めちゃめちゃくやしい」「めちゃくちゃな値段で売るな」「追突されて新車がめちゃくちゃになった」という使い方をします。

「まちまち」の対義語

一つ一つ違っているという意味の「まちまち」の対義語には、以下のようなものがあります。

  • 揃い…全部がおなじであること(例:みんなとお揃いの服を作る)
  • 一様…多くのものが一つに見えるほど同じなこと(例:全員を一様に律することはできない)
  • 均一…数量、金額などが一つにそろっていること(例:百円均一)
  • 画一…すべてを同じようにすること(例:指導を画一化する)
  • 一律…一つの決まりで全体を同じように統一すること(例:給料を一律に引き上げる)

また、揃ってはいるものの、異質なものや雑多なものが混ざり合っていて区別や整理ができない状態を会話言葉で「一緒くた」「混ぜこぜ」「ごっちゃ」という言葉で表します。

「まちまち」と「ちまちま」

「まちまち」を逆さに読むと「ちまちま」になります。どちらの言葉も響きが可愛らしくよく似ていますが、意味はもちろん違います。文法的には「まちまち」は名詞と形容動詞ですが「ちまちま」は副詞になります。

「ちまちま」は、小さくまとまっているさま。または狭くてゆとりがないさまをいいます。「ちんまり」と同じ意味です。「ちまちまとした字を書くね」「ちまちまと暮らす」という用法になります。


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