「奔走」とは?意味や使い方をご紹介

「奔走」という言葉をご存知でしょうか。日常生活の中では、あまり見聞きしない言葉ですね。走の字が入っているので、走るようなイメージを抱く方も多いかと思います。ここではそんな「奔走」の意味や使い方、類義語などを、順々に紹介していきます。

目次

  1. 「奔走」の読み方
  2. 「奔走」の意味
  3. 「奔走」の使い方
  4. 「奔走」に関連する四字熟語
  5. 「奔走」の類義語

「奔走」の読み方

まず「奔走」は「ほんそう」、もしくは「ほんそ」と読みます。ただし「ほんそ」は「ほんそう」から変化した読み方であり、「ほんそう」の方が一般的です。読み物などでは、「ほんそ」と読むこともあるかもしれません。

「奔走」の意味

「奔走」には大きく分け、以下の三つの意味があります。

  1. 物事が順調にいくよう、あちこち駆け回って頑張ること
  2. ご馳走し、もてなすこと
  3. 大切にすることや、可愛がること

ただし現代では殆どの場合、1の意味を示すかと思います。昔の読み物などでは、2や3の意味を示すこともあるかもしれません。

2や3の意味の由来ですが、これは「忙しく駆け回ってご馳走を用意する」や、「大切なもののために駆け回る、それくらい可愛がる」ということです。

つまり「走」の字が入っていることからも分かるよう、この言葉は駆け回るニュアンスが強めなわけですね。ちなみに「奔」の字も、勢いよく走るなどの意味を持っています。

「奔走」の使い方

上述を踏まえて「奔走」は多くの場合、物事が上手く運ぶよう忙しく駆け回ることや、その様子を指して使われます。注意点としては実際に走ること以外にも、あちこち行き歩いたり、そういう立ち回りようなことも含みます。駆け回ることを広い範囲と言うか、比喩的にとらえるわけです。

たとえば「仕事で色々な街を奔走する」だと、「仕事が上手くいくよう、色々な街を駆け回って頑張る」というような意味です。どちらかと言えば、実際に走るニュアンスが強めですね。

一方で自分が喧嘩の仲立ちをするとき、「AとBの喧嘩の仲裁に奔走する」というように使います。これは実際に走ることも表しますが、どちらかと言えば「Aの話を聞いたりBの話を聞いたりして、仲裁を頑張る」のような、立ち回りのニュアンスが強めに伝わります。

「奔走」の例文

  • 部下のミスを補うべく、各地を奔走させられる
  • 彼女のために奔走したいと思う
  • 転職してから、奔走することが多い
  • こうなれば、奔走せざるを得ない
  • 友人の奔走によって、どうにか助かった

「奔走」に関連する四字熟語

「奔走」に関連する四字熟語としては、「東奔西走」が挙げられます。この言葉は「とうほんせいそう」と読み、「奔」と「走」の字が入っていますね。

「東奔西走」とはあちこち忙しく駆け回ることを表し、東に走ったり西に走ったり、というようなことを意味します。「奔走」における1の意味を、強調している言葉です。よって駆け回る程度は、「奔走」よりも強めです。

「奔走」の類義語

「奔走」の類義語には、「疾駆」、「狂奔」、「奮闘」などがあります。

「疾駆」について

「疾駆」は「しっく」と読み、車や馬などが速く走る、走らせることや、物事の進行が速いことなどを表します。とにかく速く車を走らせて駆け回る、というような状況では、「奔走する」を「疾駆する」と言い換えられる場合もありますね。

「狂奔」について

「狂奔」は「きょうほん」と読み、この言葉には以下の二つの意味があります。

  1. 正気を失ったかのよう、狂ったように走り回ること
  2. 目的のため、熱心に奔走すること

狂ったようにや熱心になので、どちらの意味も「奔走」と比べて、駆け回る程度、勢いはかなり強めです。「忙しいというレベルではない、死に物狂いで駆け回る!」のような状況では、「奔走」よりも「狂奔」が相応しいかもしれません。

「奮闘」について

「奮闘」は「ふんとう」と読み、力を振るって戦うことや、力いっぱい努力することを表します。とりわけ後者の意味は「奔走」に通じるところがありますが、この言葉は頑張るというニュアンスが強めです。

なので頑張ることを強調したいとき、たとえば「事件を解決するために奔走する」は、「事件を解決するために奮闘する」と言い換えられますね。また「孤軍」と組み合わせ、一人で頑張ることを「孤軍奮闘」と言ったりします。


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