及第とは?及第の意味
試験や審査に合格すること、または基準を満たしていること。また、品物などが条件に適っていると認められることを指します。
及第の説明
「及第」は「きゅうだい」と読み、主に試験や審査の合格を意味する言葉です。中国の科挙制度に由来しており、官吏登用試験に合格することを表していました。現代では「及第点」という表現で、合格に必要な最低限の点数や、ある程度の水準に達していることを示すのに使われます。ビジネスシーンでは「新人社員として及第だ」のように、一定の基準を満たしている評価として用いられることもあります。ただし、この言葉はやや格式ばった印象を与えるため、日常会話では「合格」や「受かる」といったより一般的な表現が好まれる傾向があります。
及第という言葉には、努力が実を結んだ達成感が感じられますね。合格ラインぎりぎりでも及第は及第、めでたいことには変わりありません!
及第の由来・語源
「及第」の語源は中国の科挙制度に遡ります。科挙は隋の時代から清の時代まで続いた官僚登用試験で、「及第」はこの難関試験に合格することを意味していました。「及」は「達する」「届く」を、「第」は「官舎」や「役所」を表し、文字通り「官舎に届く=合格する」という意味を持ちます。特に明清時代では、科挙の最終試験である殿試で3位以内に入ることが「及第」とされ、状元・榜眼・探花と呼ばれる最高の栄誉とされました。この制度が日本に伝わり、学問や試験の合格を表す言葉として定着したのです。
及第という言葉には、難関を突破した達成感と歴史の重みが感じられますね。現代でも使える格式ある表現です。
及第の豆知識
面白い豆知識として、日本では「及第点」という表現が独自の発展を遂げました。本来の「合格点」という意味に加え、「ぎりぎり合格」や「まずまずの評価」といったニュアンスで使われるようになりました。また、料理の世界では「及第煮」という料理名があり、これはさまざまな食材をうまく調和させたことから名付けられました。さらに、戦国時代の武将・豊臣秀吉の聚楽第(じゅらくてい)も「第」の字を使っていますが、こちらは邸宅を意味する別の用法です。
及第のエピソード・逸話
江戸時代後期の蘭学者・杉田玄白は、オランダ語の医学書『ターヘル・アナトミア』の翻訳に挑戦しました。当時は蘭語の知識がほとんどない中、苦労の末に『解体新書』を完成させます。この偉業について後年、「これこそ我々の学問の及第と言えるだろう」と語ったと伝えられています。また、明治時代の文豪・夏目漱石は『坊っちゃん』の中で「英語の試験に及第した」という表現を使っており、当時はまだこの言葉が一般的に使われていたことがわかります。
及第の言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「及第」は漢語由来の熟語で、音読みの「きゅうだい」で定着しています。興味深いのは、同じ「合格」を意味する言葉でも、「合格」がより一般的で中立的な表現であるのに対し、「及第」は格式ばった文語的な響きを持つ点です。また、「及第」は動詞として「及第する」と使える一方、名詞として単独でも機能します。歴史的には室町時代頃から文献に登場し、江戸時代には学問や武芸の達成を表す言葉として広く用いられました。現代では使用頻度が減りましたが、依然として「及第点」などの複合語として生き続けています。
及第の例文
- 1 資格試験の合格通知が届いたとき、『やっと及第した!』と心の中で叫んでしまいました。
- 2 新人時代の評価面談で『まずまず及第点です』と言われ、ほっとすると同時にもっと上を目指そうと思いました。
- 3 子供のテスト答案に及第点の赤印を見つけて、親としてひとまず安心したのはきっとどこの家庭でも同じです。
- 4 仕事で大きなプロジェクトを無事終え、上司から『今回は及第だ』と言われたときの安堵感は格別です。
- 5 ダイエットの結果を確認して、目標には届かなかったけどまずまず及第かなと思わず納得してしまいました。
「及第」の使い分けと注意点
「及第」を使う際には、場面や相手に応じた適切な使い分けが重要です。格式ばった表現なので、カジュアルな会話では「合格」や「受かった」を使うのが自然です。ビジネスシーンでは、特に目上の人に対しては「基準を満たしています」などより丁寧な表現が好まれる場合があります。
- 公式文書や改まった場では「及第」が適切
- 日常会話では「合格」が無難
- 「及第点」は評価の文脈でよく使われる
- 否定形の「不及第」は現代ではほとんど使われない
関連用語と表現
「及第」に関連する言葉には、様々なバリエーションがあります。これらの関連語を知ることで、より豊かな表現が可能になります。
| 用語 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 落第 | らくだい | 試験に合格できないこと |
| 及第点 | きゅうだいてん | 合格に必要な最低点数 |
| 状元 | じょうげん | 科挙の最高成績者 |
| 及第煮 | きゅうだいに | いろいろな食材を煮込んだ料理 |
歴史的背景と文化的意義
「及第」は単なる合格を表す言葉ではなく、日本の教育史や文化史において重要な意味を持っています。江戸時代の寺子屋教育では、読み書き算盤の習得度合いを「及第」で評価していました。また、明治時代のエリート教育においても、この言葉は高いステータスを意味していました。
学問の道に及第することは、単なる知識の習得ではなく、人格の完成を目指す修行であった
— 福沢諭吉
よくある質問(FAQ)
「及第」と「合格」の違いは何ですか?
「及第」は格式ばった文語的な表現で、特に学問や試験の合格を指すことが多いです。一方「合格」はより一般的で、日常会話から公式な場面まで幅広く使われます。及第は中国の科挙制度に由来する歴史的なニュアンスを含む点が特徴です。
「及第点」とは具体的にどのくらいの点数ですか?
及第点は絶対的な点数ではなく、試験や評価ごとに設定された合格基準点を指します。一般的には60点や70点などとされますが、『ぎりぎり合格』というニュアンスで使われることも多く、状況によって解釈が異なります。
ビジネスシーンで「及第」を使っても失礼になりませんか?
目上の人に対しては「合格」や「基準を満たしている」などの表現が無難です。「及第」はやや古風な表現なので、状況によっては堅苦しく聞こえる可能性があります。ただし、社内の成績評価などでは問題なく使えます。
「及第」の反対語は何ですか?
反対語は「落第」です。こちらも「及第」同様、試験や審査に合格できないことを意味します。日常的には「不合格」や「落ちる」という表現がより一般的に使われています。
なぜ「及第」という言葉は現代であまり使われなくなったのですか?
戦後、教育の大衆化が進み、より平易な「合格」という表現が広く普及したためです。また、科挙制度のような厳格な試験制度がなくなったことも、この言葉の使用頻度が減った一因と考えられます。